光沢フェチを止めてくれた姉に感謝。変態の素質があった男/中川淳一郎

妙な性癖を持つ男とこれまで何度か会ってきたが、その中でも「女性が着用する光沢のあるもの・ピタッと身体の部位に装着するものに興奮する男児」の話は印象深い。小学6年生だったヒロシ君(現在は40代)は、1988年のソウルオリンピックの女子競泳をテレビで観戦し、いたく興奮した。それも特殊な状況に興奮した。

試合前、濡れておらずナイロン地の光沢が見える派手な柄の競泳用水着に興奮したというのだ。最近の女子選手は水の抵抗を減らすべく、両脚も覆った水着を着用し、上と下全体が黒一色だったりする。ヒロシ君は様々な色が光沢を持つ水着に興奮した。そして、試合後、水着が濡れて光沢が見えなくなったところで興奮は収まる。また、街の中華料理店でゴム手袋をつけて食器を洗う女性にも興奮したのだという。

大人になったヒロシ君は「恐らく私はナイロンやゴムのような光沢と、ボディ、そして指にキッチリとハマる女性の姿に興奮したのかもしれません」と当時の自分を分析する。そして、見るだけでは飽き足らず、家で留守番をしている時、タンスに入っている姉と母の競泳用水着を身につけ、さらに炊事場のゴム手袋をつける。すると、アソコがムクムクと大きくなり、これがなんだか気持ちよくなったというのだ。

当時は自慰行為を知らなかったため、ソレをしごくようなことはしなかったのだが、今振り返ると、どうもそれがいわゆる「フェチ」的な感覚だったとしか思えないのだという。恐らくそうだろう。

この行為を何度かした後、姉から「きちんと水着を畳んでいたのに、皺がついている。アンタ触った?」と聞かれ、「何もしていない」としらばっくれたのだが、この行為はあまり良くないことであると感じ、以後慎んだ。そして、中学に入ると自慰を覚え、それで性欲は解消するようになった。エロ本は所有がバレるのが恐ろしかったため、購入することはなかったが、何しろ中学生男子というのはちょっとした刺激で勃起するものである。