
先日博多へ行ったのだが、この地で思い出したことがある。2000年代中盤、博多の繁華街・中洲エリアに「女性向けソープランド」が営業を開始したというニュースである。日当は指名料等出来高制もあるが、時給900円時代においては破格の金額だった。僕はこの件について自身が編集者を務めるニュースサイトで紹介したのだが、これに連なるコメントは男性からのものがほとんどで、こんな感じだった。
「オレも博多に住む!」
「オレはセックスが大好きなので、この仕事やりたい!」
「気持ちいいことして、大金もらえるって何この仕事、サイコー!」
とはいっても、こんな懸念もあった。
「ヤバいのが来てもできるか?」
これについては、男性向け風俗店でもヤバいのは来るわけで、当時のコメントとしては「客は客、プロとしてこの店で働くからには、きちんとサービスをしなくてはならない。男向けのソープランドでも、ソープ嬢はいくらキモいヤツが来てもプロ根性見せてるだろ。だからお前らもこの店で働きたいんだったら同様にしろ」といった空気感になっていた。
というわけで、今の時代よりも非常にネットニュース界隈が大らかというかテキトーだった時代、ポータルサイトにもこの手のエロ記事は配信されていたため、この店のことは注目を浴びていた。
まさに「男の夢の仕事」といった感覚だったのである。売れっ子になれば、1日10万円を稼げ、さらには誕生日などになれば太い客からご祝儀で100万円もらえて年収7000万円も可能なのではないか! といった状況になった。
2回、3回とヤりたい人も…
しかし、事はうまくはいかない。この店が潰れた、というニュースがそれ程遠くない未来に登場したのだった。倒産の理由についてはざっくり言うと、ソープ嬢ならぬソープボーイ(ソープ坊?)が、一度射精をしてしまうとなかなか回復せず、体力が持たなくなったというのだ。
女性客の中には、2回、3回とヤりたい人もいただろう。持ち時間の中で、何度もイクのと、男が何度も射精をする様を見たい人もいる。しかし、彼女らを受け入れる男からすると一度射精をすると再勃起までには一定の時間が必要である。無事勃起ができたとしても、次の射精では精液の量も濃さも激減する。
「何回もイッて~!」と言ってくれる女性客はいただろうが、男にとってはもはや無理なのだ。その客を相手にした後、1時間休憩を取ったうえで、別の女性を相手にすることになるとしよう。2人目ともなると、もはや勃起も射精も困難になる。
こうしたことから、「ソープ嬢」ならぬ「ソープボーイ」「ソープ坊」が、力士の引退会見の時のように「体力の限界!」と退職を決意するのであった。もちろん、客商売のため、ある程度のルックスは求められるし、話術も必要だ。
- 1
- 2