冬に東北の農村で二人きりになると想像を絶する展開が起きる!?/中川淳一郎

男が出張に行くにあたっては、ご当地の風俗店を予めネット検索し、仕事が終わった後、満を持してその店に向かうことが多い。知り合いのサラリーマンの多くはそんな理由から出張を楽しみにしていた。特に伝説的人気があったのが、熊本市のソープランドだった。

僕がかつて勤めていた会社の出先表(ホワイトボード)に「熊本出張」と書いてあったら、「あっ、アイツアソコ行ってるな」と誰もが思ったものである。

僕の場合、出張の時に風俗店へ行くことはなかったが、同行の女性とエロをしたことはある。北村さんと一緒に東北の農村を訪れたのだが、当地での打ち合わせや取材を終え、民宿へ。この家は客がいたら泊めてあげるよー、というタイプの宿泊施設で、本職は農業である。

女性と東北の農村へ

食事の前に地元の共同温泉に連れて行ってもらい、宿の主に1時間後に迎えに来てもらって一緒に食事をした。21時頃に主は「私はもう寝ますね。あとはご自由にいくらでも飲んでください」と寝室に行った。

僕と北村さんは今回の仕事を振り返るとともに、なぜかこれまでの人生を語り合う展開となった。外は真っ暗で普段東京にいる時の喧騒・ネオンの明かりなど一切ない場所でしみじみとしてしまったのだろう。

「ニノミヤさんがこれまで付き合った人ってどんな人?」

「う~ん、2人しか付き合ったことないのですが、一人は外国人、もう一人は天真爛漫な4歳年下です。北村さんは?」

「私はヤリマンだから付き合うも何もないけど、一番好きだった男は建設会社勤務のマッチョだったかな……」

こんな話を24時まで延々し続けたのだが、さすがに「今日は寝ますか」ということになった。主は8畳の和室に布団を2枚敷いてくれていた。そしてなぜか布団はくっついているのである!

そもそも部屋は分かれていると思っていたのだが、同じ部屋、しかも布団がくっついているという状況で僕と北村さんは寝床へ。横たわりながらもそれまでの恋愛遍歴やらエロ話を続けていたのだが、北村さんが突然「寒い、そっち行っていい?」と言ってきた。