今ほどラブグッズが豊富じゃなかった時代。選ばれたのは野菜だった/中川淳一郎

僕は長年にわたって「女性複数+自分一人」という飲み会に参加し続けてきた。多分、恋愛対象になりづらいタイプなんだと思う。とにかくその場にいればいい「数合わせ」的な人間で、あとは性欲ムンムンでギラギラしていないから「ニノミヤ君でいっかー」といった形で飲みの席に参加してきたのだろう。

大学生の時、某有名私立大学の同級生女性・浩子と初枝と東京・下北沢で時々飲んでいた。2人はハイソな雰囲気のあるその大学では異端扱いされているようで、毎度同級生の悪口を言っていた。そして僕に「ねぇねぇ、ニノミヤ、ヒドいでしょー!」と言うのである。

結論から言うと、浩子とはその1年後に酔っ払った勢いで東大の学生寮の知人の部屋に深夜に乗り込み、エロ行為をしようとしたことがある。しかし、コンドームがないため「買ってきて!」と言われ、ギンギンに勃起しながら夜の駒場を走り回ってコンドームの自販機を探していたら警察官から職務質問をされた経験がある。

なんとか無事に買えたものの、部屋に戻ってきたところですでに僕のアソコは爆発の直前となっており、浩子がしごいた瞬間に射精してしまい「あららら……」となった苦い思い出があるのだが、それはまぁ、別の話だし、過去に当連載でも失敗談として書いている。

女同士のオナニー話

ここでは浩子と初枝との飲み会の話について書いてみる。浩子は東京出身だが、初枝は岡山県の山村出身だ。下北沢のロックバーでいい感じで酔っ払った我々は下ネタモードになっていった。

「ニノミヤ君はどうやってオナニーするの?」

「ありゃ、勃ったわ、なんて状態になったらさっさと右手でしごいて射精をする。それだけだな。別にマニキュアをつけて女からしごいてもらうような演出をするとかはないよ。あと、オレ、実家暮らしだからAVは見られない。だから突然の勃起のタイミングで出すだけだね」

一応僕の話は聞いたが、その後は女同士のオナニー話で盛り上がり、途中からどのような道具を使うか、という話になっていった。当時は今ほどオナニーグッズは豊富ではなかった時代である。そんな中、2人が一致したのが「野菜」だ。