女性同士のセックスを見る理由

まずひとつは、女性は性的柔軟性が高いということです。2004年にMeredith Chiversらによって発表された研究によると、ランダムな動画を連続して見せながら性器の変化(男性はペニスの周囲径の変化、女性は腟の毛細血管中の血液量の変化)を計測する実験をしたところ、男性は性器の反応が本人の性的指向とほぼ一致しており、限られた動画にしか反応を示しませんでした。しかし、女性の場合は本人の性的指向に関わらず、男女のセックス、男性どうしや女性どうしのセックス、ボノボの交尾を観ても性器が即座に反応したそうです。女性の場合、腟の血流量と本人の「性的に興奮する!」という自覚が10%しか一致しなかったという“落とし穴”もあるのですが、いずれにしても、性的なものを観た時に性器が「あぁこれは性的なものですね」と敏感に反応しやすいことが性的柔軟性につながっていると考えられているようです。

また、ポルノの特徴も影響しているようです。ポルノの多くは男性向けに作られていますが、ポルノにおける男女のセックスでは、出演している女性に快感を与えることが目的ではなく、男性を視覚的に興奮させることを目的に作られています。行為の内容も男性器への刺激と射精がポイントになっていて、クンニよりもフェラの時間が長く、女性がイクシーンがなくても男性が射精するシーンは必ず入っています。

一方で、女性どうしのセックスを撮ったポルノはどこを切り取っても常に女性の体が愛撫されていて、女性が気持ちよくなることにフォーカスされているように見えます。そういった違いから、レズビアンのポルノの方が気持ちよさそうに見えるのかもしれません。作品にもよりますが、体だけでなく心の結びつきが描かれていたり、ロマンティックなストーリーになっていたりすることも女性受けがいい理由のひとつかもしれません。

そういえば、BL好きな女性も多いですよね。こちらも女性の性的柔軟性の高さが関係していると思われますが、他にも理由がありそうですね。最近私もBL作品が気になりつつあるので、また何か分かったら報告します。

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Text/BETSY