ダイニングに思わぬ人物が…
その後は挿入に入るのだが、間男が家に入り込んでると彼女の親が知ったらどう思うだろうか。そこらへんは心配だったが、性欲には勝てず、結局15時までに3回してしまい、さすがに喉が渇いたので服を着て1階でビールを飲むことにした。
すると、ダイニングのテーブルには小学校高学年と思しき少女がいた。
「リカちゃんどうしたの! いつの間にいたの? どうやって入ったの?」
明らかに秀美さんは狼狽していた。
「庭から入った。窓のカギ、開けっ放しだったよ。いつもおばちゃん、開けっ放しにしていてくれるの」
普段平日は会社に行っている秀美さんはリカちゃんというこの姪っ子が、我が家を訪れることを知らなかったというのだ。
「その人誰?」
「ニノミヤさんっていう仕事でお世話になっている人。今日は近くでお仕事があったので、ウチで一杯飲みませんか? と誘ったの」
「ふーん、楽しそうなことやってたね。でも大丈夫、ヒロシには言わないからさ」
どうも、リカちゃんは秀美さんの婚約者であるヒロシさんとは面識があるようだ。そして、我々が部屋に閉じこもって何をやっていたかは分かっているようだった。僕らはビールを飲むでもなく、二人で外に出て駅に向かって歩いた。
「あ~、ビックリした。まさかあの子がいるなんて!」
秀美さんの狼狽は止まらない。一つの弱みを姪から握られた秀美さんは翌年のお年玉、小学生にしては多い1万円をあげたのだという。そして、一族の集いにはヒロシさんもやってきて結婚することを宣言した。その時リカちゃんは秀美さんを見てニヤリと笑ったのだと言う。
Text/中川淳一郎
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