先日、イーストプレスより刊行された『アダルトメディア年鑑2024』に寄稿した関係で、高円寺パンディットで行われた発売イベント第一弾に登壇させていただきました。総勢9人の寄稿者が、30人くらい入れば満員の箱に登場するというなかなか無茶な構成。漫画やゲームなどの二次元勢と、AVやマッチングアプリなどの三次元勢に分かれており、『マッチングアプリ』『女性向けAV』『女性向けアダルトサイト』を担当したわたしは後者の立場。『女性向けアダルトサイト』ではこのAMの編集長の金井茉利絵さんにコメントもいただいております。AMをアダルトサイトといっていいかはさておいて。
個人的にイベントの登壇者たちの発言で興味深かったのは“逆”の話です。二次元ではダブルフェラといえば女の子ふたりが一本のペニスを舐めるのがオーソドックス。ですが、三次元では女の子が二本のペニスを代わる代わる舐めるのが王道だという。3PもしかりでAVでは女性2人の3Pを「逆3P」なんて呼ぶこともあるが、二次では逆ではない。ちなみに腋舐めも二次では女性が男性の脇を舐め、三次では女が男の脇を舐めるのがオーソなそうでこれはいったいどういうことなのか。新たな発見に二次元勢と三次元勢が交流する意味というか意義を感じたのでした。
初めては彼氏に買ってもらったアレ
考えもしなかったといえば、かれこれ10年かそこら前。ちょうど女性用プレジャーグッズのirohaが初お目見えした頃、年下の女の子に「初アダルトグッズは彼氏に買ってもらったローター」というような話をしたところ、「えっ! 一緒に使うんですか? アダルトグッズって、普通はひとりで使うものですよね?」という返事が返ってきて「えっ!」と驚いたことがありました。もしかしてわたしだけが特別なのかと『アダルトメディア年鑑2024』の編者でもある安田理央さんに「昔って初めてアダルトグッズを使ったのは、彼氏が買ってくれてってパターンが多数派でしたよね」と尋ねてみたところ「そうだと思うよ」という返事が来て安心した。
考えてみればドン・キホーテもネット通販もなかった頃は、アダルトグッズは繁華街にある大人のオモチャ屋でしか入手できず、女性が手に入れるハードルが今とは段違いに高かったから「彼氏が買ってくれた」ことが初めて使うきっかけであることが多かったのではないか、などと考察しつつ、たった10年20年でも性の有り様には変化があるのだなと感慨深く思ったのでした。そういえば、電マがお父さんバイブなんてあだ名で呼ばれていた頃は、マッサージ器というテイで置いてあるラブホテルがあって、いつも「これ、使い回すの嫌じゃね?」とか思っていたものですが、それも見なくなった。電マ=性具という共通認識が広まったことで、「使い回すの嫌じゃね?」と考える人が多くなったのではと推測しているのですが、いかがでしょうか。
Text/大泉りか