「今日はもう帰らないですよね?」

いざ松本へGO! ここから先は席に座っていればいいだけだ。しかし、痛みは続く。市販の痛み止めを飲み、なんとかやり過ごしたが、そう頻繁に飲むわけにはいかない。なので、車内販売のビールで痛みを紛らわす作戦に出た。

そんなこんなで松本駅には16時台後半に着き、僕は「ハルコに逢いたい」を達成したのである。ハルコさんは16時52分頃改札に来てくれ「お久しぶりです!」と快活に挨拶をしてくれた。もうチェックインはしており、5日ぶりにシャワーを浴びた後だという。僕らは駅近くの居酒屋へ行き、彼女の縦走の話、僕らが会ったときの話、そして捻挫をした話を楽しくした。

「今日はもう帰らないですよね?」とハルコさんが聞いてきたため「はい、泊まっていいですか?」と聞いたら「もちろんですよ」と言ってくれた。これは期待が高まるではないか。割り勘で会計を終えると僕らはコンビニへ。ビールとつまみを買ってからハルコさんの部屋に行った。

となればビールを飲みながらすぐにアノ行為を開始することになるのだが、まず、ジーンズと靴下を脱ぐと猛烈に痛い! 体位にしても立ちバックなど無理だし、正常位も支点の一つが故障しているため若干難しい。「そうねぇ、私が上に行くよ」「は、はい、騎乗位お願いします……」というロマンスのかけらもないような会話になるが、それでも勃起力はキチンとあったため、僕はこの日、寝るまでに3回射精をした。長旅と故障状態のセックスは体力を使うのか、僕は3回目を終えるとすぐに寝てしまったらしい。

翌朝、起きたら足の痛みは少し和らいでいるように思えた。ただ単に捻挫から日が経ったから良くなっただけだと思うが、僕はハルコさんに逢うため犬のシロのように苦労したことが報われたのである、と信じることにした。

Text/中川淳一郎