東海林さだお氏の作品では…

この作品が描かれた頃、「記憶にございません」といった国会答弁が話題になっていたのだが、夫が帰ってきたとき、ワイシャツに口紅の跡がついていた。妻は国会での追及のように「この口紅は一体何であるか」と質問をし、夫は「記憶にございません、そう言いたい次第であります」などと国会答弁風の答えをする。

その後、「それでは我々はこれから一緒に寝るということでよろしいでしょうか」「そうするのもやぶさかではありません」のような答えになり「今の『やぶさかではない』は積極性がない」と妻が追及を続ける。「とてもそのようにしたい、そう考える次第です」と夫は答え、最後は布団の中で「今、私が連続して行っているこの運動についていかがお考えか」「とてもよい、そう考えております」というオチだった。

まさかこんなバカな展開があるか? と思ったのだが、若き日の撲にもこんな漫画のような展開があった。

Text/中川淳一郎