北村がキレた理由は?

「オレはな、今までのこのエロビデオの映像を全部覚えておき、JR中央線の国立からオレが住む高尾駅までの間、この映像を再び再生させるんだよ。そして、家に帰ったらパンツにティッシュを入れてすぐに寝る。そうしたら夢精ができるんだよ

僕は「北村さぁ、今、織田の家の便所でオナニーすればいいだろ?」と言ったのだが北村は「うるせぇニノミヤ、夢精の方がずっと気持ちいいし、オレはオナニーなんてしたことがない!」と言われた。

なんと、23歳になっていた北村はそれまでの人生で一度もオナニーをしたことがないのだという。射精はすべて夢精だったというのだ! 僕は前にも書いた通り、人生で3回しか夢精経験はないので羨ましかった。冒頭のリンクによると夢精はオナニーの39倍気持ちがいいというではないか!

北村は織田の家を出てから電車に乗り、家に帰り寝床に着く時間まで計算したうえで、最高の夢精をする準備をこの段階でしていたのだ。翌日、キャンパス内で会ったときに「夢精できた?」と聞いたら「バッチリだわ!」と言った。

卒業後にも進化する北村の「超人」ぶり

以来、彼は「超人」と呼ばれるようになり、卒業後、5年おきに北村とは会うことになる。というのも、僕が通った大学は少人数のため、卒業後は5年おきに学年の人間全員を呼びかけ、200人程度の同窓会ができる規模なのだ。卒業から5年、10年、15年と3回この同窓会は行われたが、北村は毎回進化していた。

◆5年後(29歳):おい、ニノミヤ、オレさぁ、ついに手を使ってオナニーしたんだよ
◆10年後(34歳):おい、ニノミヤ、ついにオレ、風俗店で射精したんだよ
◆15年後(39歳):おい、ニノミヤ、ついにオレ、結婚して素人の女性と初めてセックスしたんだよ

果たして20年後、彼が44歳になったときは何を言うか? まったくよく分からないが、北村のような偉人には彼以外に会ったことがない。

Text/中川淳一郎