これまでもっとも高い年齢の人とのセックスは51歳の瞳さんだった。僕は25歳だったのだが、飲み屋のカウンターでたまたま隣り合ったことがきっかけだった。色々喋ったのだが、「またこの店で飲みましょうねー!」と別れた。
たまたまこの店はラブホテル街に位置していたのだが、後日、この店に行ったら瞳さんがいた。「あぁ、この前の!」と言ったら瞳さんは「ニノミヤさんだよね。覚えてるよ!」と言った。
この日も隣で飲んだのだが、彼女が会計をしているそのとき「あのさ、ニノミヤさん、まだ時間ある? 次行かない?」と言った。僕はただ酒を飲みたいから来ただけなので「もちろんですよー!」と呑気に答え、個別に会計をした。
外に出たら瞳さんは「あのね、これからホテル行こうよ」と言ってきた。なんというありがたいオファーか! 僕は「ぜひぜひ!」と大興奮し、ホテルの方に向かう。こういった場合、男が払うのは当然だと思っているので、興奮しながら空いている部屋のパネルの番号を押し、カネを払って部屋へ。
瞳さんからオファーを受けてホテルへ
部屋に入るとすぐにブチューッと濃厚なキスをし、ベッドへ。電気をすべて消した瞳さんも全裸になり、セックスが開始する。しかし、なぜか彼女は僕に腹を触らせない。性器と胸は触らせてもらえるし、なめさせてくれるのだが、なぜか腹を触ろうとすると手でビシッとはねのける。
まぁ、色々あるのだな、と思いながら、腹は避けつつディープキスをし、さらにはオーラルセックスしながら挿入タイムに至る。
実に良い! 我々の相性は最高だ。かくして、この「腹を触らないセックス」を3回した後、僕たちは「ふーっ、気持ちよかったね」と終了後、ベッドで隣あってピロートークを開始した。何しろ真っ暗な世界だったので何も見えていない。
ここまでやれば、我々はかなり特別な関係だ。瞳さんには「なんで腹を触らせてもらえなかったんですか?」と聞いた。そうすると彼女はこう言った。
「私、お腹に皺があるし、ちょっとポッコリしているからニノミヤさんに見せたくないし触らせたくなかったの」
別に僕は皺もポッコリも気にしない。だからこう言った。
「そんなもん、どうでもいいですよ。お互いセックスするのだったら最大限楽しみましょうよ!」
彼女のコンプレックスは…
しかし、瞳さんは頑なにこの2つの部分についての言及を避けようとする。その後色々話をすると彼女は自身の「51歳」という年齢がコンプレックスだったのだという。僕は彼女の年齢については37歳ぐらいだと思っていたのだが、彼女からすると「私が37歳だと思っていたらニノミヤさんはセックスをしたかもしれないけど、51歳と事実を伝えたらドン引きすると思ったの」とのこと。
正直、年齢なんて関係がない。お互い「今日はヤりたい」と思えばヤればいいのに、と思った瞳さんの告白であった。結局彼女とはその後5回の逢瀬をし、毎度3回ずつやった。その後彼女から連絡をくれなくなり、関係は自然消滅した。ただ、「51歳」という年齢をコンプレックスに感じていたのを除去できたのであればそれに勝る喜びはない。
Text/中川淳一郎