彼女とバーで再会すると、こう言った

そして翌朝、彼女には「昨日は楽しかったです」とメールを送ったら「私もです! また飲みましょう!」と返事があったので合意の上でのセックスだったことは分かった。しかし、その後が若干ややこしかった。次回、彼女とバーで会ったとき、彼女はこう言ったのだ。

「ニノミヤさん、私たち、前回お会いしたときニノミヤさんの家に行きましたよね。確か、缶ビールを飲んだところまでは覚えているのですが、その後、全裸になっているのに驚いたんです。私は『23時だ!』というルーティンと帰巣本能が働いて家には無事帰れたのですが、ニノミヤさんの家にいた間の記憶がほとんどないんです

「はい、僕も記憶を飛ばしています」

こう言った後、彼女は小声でこう言ってきた。

「私たち、セックスしてますよね? 私、何も覚えてなくて……」

「はい、僕も実は覚えていなくて。ただ、コンドーム2つに精液が入っているので僕は2回イッているのは間違いないです」

「そうですか……。覚えていないとはもったいないことをしました」

「僕もそう思いました。今度はあんまりベロンベロンにならないようにしましょう」

「そうね、やっぱりこういうのは覚えている方がいいですからねw」

という約束はしたものの、結局その後彼女と2回僕の家でセックスをしたらしい(合計5発)のだが、すべてを覚えてない。毎度同じ量を飲みまくり、そしてとある一定量に到達したところで2人して記憶を失ってセックスをしてしまうようなのだが。

実にもったいない……。その後僕は転勤となり、地方都市に引っ越したが、今度東京に行くときは朋子さんと酔っ払う前の昼間からラブホテルにいきなり誘おうと思っている。

Text/中川淳一郎