突然だが、歯の話をしようと思う。なぜなら昨日、親知らずを抜く手術をしたから。
私は他サイトで『アルテイシアの熟女入門』という連載をしているのだが、「口腔トラブルが絶えない」もJJ(熟女)あるあるだ。
JJ仲間が集まると、つねに誰かの歯のかぶせがとれている。また40年も生きていると、みんな親知らずの2本や3本や4本は抜いている。
今回、私も横向きに生えた右下の親知らずに虫歯ができて「いよいよ抜かねばならぬ」との診断がくだった。
この親知らずはハタチ前後に出現したもので、それから20年来、肉のスジが詰まったりなど苦楽を共にしてきた。
「いよいよコイツとも別れの時が来たようだ」とJJ仲間に話すと「私も親知らずを抜歯した後、帰り道に出血が止まらなくなり、草むらにブハッと血を吹いた」とバトル漫画の主人公のようなコメントが返ってきた。
他にも「10日間ほど口が開かず、血の混じったよだれが出続けて、抜いた親知らずは緑色だった」など怪談じみた話も聞かされ、震えあがった私。
しかも歯科医の女友達いわく「年をとると親知らずと骨がくっついて抜きにくくなる」のだとか。
歯のかぶせのように、とれちゃいけない部品は壊れたロボットみたいにバラバラとれていくくせに、抜かなきゃいけないものは抜けない。「これが老い、か…」とシャアのように涙ぐんでいるうちに、抜歯の日がやってきた。
結論から言うと、我が親知らずは『おおきなかぶ』といい勝負ぐらい抜けなくて、なんと1時間以上もかかった。
なるべく歯茎を切らずにすむよう、まずは歯を砕くのだが、メキメキ!バキバキ!と口内でジェノサイドが行われること数十分。
その間、ほぼ口を開けっぱなしのため、主治医に「顎がしんどいと思うけど、がんばって」と励まされ「大丈夫!若い頃にバキュームフェラで鍛えたから」「と目で合図した私。
フェラもやっとくもんだと思った次第だが、残念なことに担当の歯科衛生士がヘタクソだった。
口内にたまった唾液や砕いた歯の欠片を器具で吸わなきゃいけないのに、ちっとも吸えない。
主治医は「もっと吸って、もっと吸って!」と言い続けてるし「おまえがバキュームがんばれよ!」とキレそうになった。
しかし「チェンジ!もっとバキューム上手い子で」とも言えないし…と耐えてるうちに、だんだん麻酔が切れてきた。
麻酔のおかげで無痛だったのに、ズンズン系の痛みの波が押し寄せてくる。
「やばい、ズンズンしてきた…でもここで中断したらもっと時間がかかるかも…」と耐える私の脳内には、クイーンの『We Will Rock You』の「ズンズンチャーン、ズンズンチャーン」が流れ、しかも画像は『魁!!クロマティ高校』のフレディという支離滅裂な状態。
そして「ウィーウィルウィーウィル、ロックユー!!」の瞬間、両手を挙げて「無理!!」と叫んだ。
その後、麻酔を追加されて、歯茎を切開→抜歯→縫合という流れで手術は終了した。
抜くのに1時間以上かかるのは稀らしく、主治医もヘトヘトの様子だったので「時間がかかってすみません」と超遅漏の客のように謝った。
私がフェラする側だったら「あとは自分でやれ」と投げ出したことだろう。