「婿養子になったの?」
前回、「どんな翼を持とうが、女同士は助け合える。女が自由に空を飛べる世界を作っていける。傷ついて翼が折れたら、手をつないでオナラで空を飛べばいい」と書いた。
その後、夫に「オナラで飛ぶのはキン肉マンだけで、他の超人は普通に飛ぶよね?」と聞くと「そうだ、完璧超人は宇宙空間を飛んで地球に来ていた」とのこと。
続けて「ロビンマスクは超人オリンピックで月まで飛んでいったのに、その後、グランドキャニオンの崖から落ちて瀕死の重傷を負った。それで再起不能になったはずなのに、その後、素知らぬ顔で復活していた」。
誰よりも自由なのは、ゆでたまご先生かもしれない。
自由といえば、フリーランスはいつ野垂れ死かもしれないが、「主人と呼ぶように」と注意してくる上司はいない。会社勤めの人はウザい上司がいても、グランドキャニオンから落とせないので大変だ。
結婚を控えたアラサー女子が「2人で『どっちの苗字にする?』と話していて、彼は『私の苗字がいいかも』と言ってたんですよ。その話を上司にしたら『男を尻に敷きすぎだ』『彼の先祖に祟られるぞ』とか言われて…意味わかんねえ!!!!!」とキレていた。
昨年の調査でも、結婚時に妻の姓を選んだ夫婦はたったの4%らしい。日本は「結婚したら女が姓を変えるのが当然」という社会だし、同調圧力の強いこの国では、妻の姓を名乗る男性はマイノリティ扱いされがちだ。
同い年の女友達は「夫と『どっちにする?』と話し合って、姓名判断で運勢のよかった私の姓を選んだ」と話していた。「単にうちの夫がフラットなだけなのに、『何か事情があるの?』と勘ぐられたり、『婿養子になったの?』と誤解する人も多いんだよ」と彼女。
婚姻届けを出すことを「入籍」と呼ぶことが、誤解を生む一因だろう。
夫婦は結婚する(=婚姻届を出す)ことで親の戸籍から抜けて、2人で新しい戸籍を作るのであり、一方が一方の戸籍に入るわけではない。よって本来は「入籍」ではなく「作籍」と呼ぶ方が正しい。そして男女いずれの姓を選んでも、公的な扱いなどは特に変わらない。
彼女は「結婚する時に『苗字は何になるの?』じゃなく『どっちの苗字にするの?』って聞いてほしいと思った」と話していて、私も言葉には気をつけたいなと思った。そもそも、その結婚が法律婚とは限らないわけだし。