老後に夢が叶う
病的に寂しがりやの私は「夫が先に死んだら一緒に死んじゃおっかな」と思っていたが、最近は「案外イケるんじゃないか」という気になってきた。
というのも、女友達と「老後はババアたちで支え合って、温暖なデンデラを築こう」と話しているからだ。
現在、65歳以上の女性で配偶者のいない割合は55%、80歳以上になると83%になるらしい。高齢女性たちが暮らすシェアハウスや、同じマンションの別の階に住むといった「友だち近居」も増えているという。
未婚率の高い我々世代の老後はシングルのおばあさんだらけだろうし、日本中にデンデラが存在しているんじゃないか。
女子校育ちの私は『クララ白書』や『アグネス白書』を読んで、女だけの寄宿舎生活に憧れていた。老後、その夢が叶うかもしれない。
中高時代は毎朝、礼拝で讃美歌を歌っていた。ババアのデンデラでは推しキャラをご神体にして、アニソンを斉唱するのも楽しそうだ。
もちろん楽しいだけじゃなく、現実的な課題もあるだろう。だがみんなで資金・知恵・スキル・人脈を持ち寄って、得意分野で支え合えば何とかなると思う。
皆さんも「明るい老後計画」を想像してみてはいかがか。というのも、今はあまりにも「一寸先は漆黒の闇」というムードが強すぎる。
中高時代は「漆黒の翼」とか「漆黒のコンシェルジュ」とか何にでも漆黒をつけたがったが、ガチの漆黒はまずい。いまや中学生すら「老後が不安」と話すそうだが、子どもたちに「この世界は地獄だ」とアルミンみたいな顔をさせるのは間違っている。
「現実を見ろ」という名目で、やたら不安を煽ってくる人々がいる。その代表例が「結婚しないと不幸になる」という呪いだろう。
そんな呪いをばらまく人々には「そっちこそ現実を見ろ」と言いたい。
我々の親世代は、ほぼ全員が結婚していた。男は仕事をして、女は家事育児をするのが「普通」だった。そんな彼ら彼女らは、現実に幸せになっているのか。