「結婚した方がいいぞ~」アドバイスという名のハラスメントの撃退法/59番目のマリアージュ

 前回「年頃の女を見ると説教せずにいられない人々がいる」と書いた。

 独身のJJ(熟女)たちは「40を過ぎて楽になった。若い頃は『結婚した方がいいぞ~』とか言われるのが一番のストレスだった」と口をそろえる。

 我々のアラサー時代は「いや~結婚したいんですけどね!残念ながら相手がいなくて!」と負け犬ポーズをとるのがベスト、「負け犬ですみません」と自虐芸をする方が生きやすい、という風潮があった。

 私は当時から「なんでそんなことせなあかんねん」と思っていた。なぜそんなデリカシーのない連中にサービスしなきゃいけないのか。
それから10余年の月日が流れたが、いまだに独身いじりの文化はなくならず、「独身は自虐するべき」というプレッシャーも根強い。

 女友達は上司から「結婚した方がいいぞ~」としつこく言われ続けていたらしい。彼女は昔、家族の事情で結婚が破談になったつらい過去がある。

 それでも「残念ながら相手がいなくて!」とかわしていたが、「何が問題なんだろうな?」「理想が高いんじゃないか?」「男に興味がないのか?」とエスカレートするのに耐えかねて「いい加減にしてください、それセクハラですよ」と伝えたそうだ。
すると上司は「あいつは怒りっぽい、感情的だ」と周囲に触れ回ったという。

 今からそいつをこれからそいつを屠(ほふ)りに行こうか!と両手の拳を突き上げたいが、現実に屠るのは難しい。なぜなら、相手は上司だからだ。

 老害芸人でおなじみの小藪が「結婚せえへんの?と聞くのがセクハラやったら会話できへん」と発言していたが、それを大御所芸能人やスポンサーのお偉いさんに聞くか?という話だ。
九九で言うと一の段だが、セクハラもパワハラも立場が上の者が下の者に行うのが常だ。女子アナが「触るなジジイ」とみのもんたの指をへし折れるかというと、無理だろう。

 イヤでもイヤと言えない関係性で、「結婚せえへんの?」と聞かれた方は「結婚したいんですけどね~!」「○○さんは素敵な奥さんがいて羨ましいな~!」と返すしかない。
そこまで上下関係がなくても、場の空気を壊さないために聞きたくもない説教やノロケに相づちをうち、疲れ果てている女子はいっぱいいる。
そんな女子たちの少しでもお役に立てればと思い、対抗トークを考えてみた。