なんちゅう世界やと思った
「こんな赤裸々にセックスのこととか書いて、旦那さんは何も言いませんか?」とたまに聞かれる。
が、夫は私の書いたものを読まない。「自分が読まない方がのびのび自由に書けるだろう」という夫の配慮であり、そこは大変ありがたい。
私が赤裸々に何でも書くのは、己に羞恥心がないのが一番の理由だ。
もともと私には「性的なこと=恥ずかしいこと」という概念がないため、エロコラムもじゃんじゃん書くし、ウンコを漏らした話なんかも平気で書く。
ちなみにウィルス性腸炎でウンコを漏らした時は、夫に「ウンコを漏らしてこそ一人前だ」と肩を叩かれた。本当にもののわかった夫でありがたい。
『オクテ女子のための恋愛基礎講座』のあとがきにも書いたが、夫が結婚報告を格闘技仲間にした際「じゃあ今後は弱くなりますね」と言われたらしい。
事実、家庭をもったことで練習時間が減ったり、家族に反対されて試合に出られなくなる人もいるそうだが(過酷な減量やケガのリスクも伴うので)、とはいえ「そこは普通おめでとうじゃないのか?」と夫に言うと「おめでとうなんて言う奴は腰抜けだ!」と返され、なんちゅう世界やと思った。
なんちゅう世界やと思ったが、我々はお互いにとって大切な世界を尊重しながら暮らしている。だから私は夫の試合を観に行かないし、夫は私の書いた原稿を読まない。相手の世界に土足で踏み込みたくないからであり、これが私と夫にとってベストなカタチだった。
我々夫婦に限らず、自分の仕事や趣味に口出しされるのはイヤという人は多いだろう。
頼んでもないのにアドバイスなどされたくないし、アドバイスがほしい時はこちらから求める。
私が仕事で夫にアドバイスを求めるのは、乙女ゲーのシナリオのあるシーンを書く時だけだ。