色んな生き方・家族のかたちがある時代です
今は、色んな生き方が選択され、許容されている時代です。
例えば、離婚が3組に1組というのは、「そんなに上手くいっていない夫婦がいるのか」という受け止め方ではなく、「上手くいかないなら解散してもいいんだ」と受け止めてもいいですよね。
他にも、既婚夫婦世帯での子どもの平均人数は2人が多いけれど、1人の家も増えているし、子どもがいない家も増えています。子どもがいて当たり前ということではなくなっている。
婚姻年齢が上がったことも関係あるでしょうが、不妊を心配したことのある夫婦も増えています。不妊治療を経験した夫婦も増えている。
後は、女性は結婚したら専業主婦になるものというのも今では当たり前ではなくなっています。背景には、女性が働きやすい労働環境になっているというポジティブな面と、男性の給与が上がらないとか、専業主婦向けの公的サポートが徐々に減らされていっていることとか、子どもの教育費が増加しているとか、必ずしもポジティブではない側面もあります。
誰かの正解がいつでも正解だとは限らない
結局のところ、どんな家族のあり方が正解かなんてないんですよね。
もちろん、その時代時代によって、生きやすい家族の形というのはあるにはあります。高度経済成長期時代は、夫が外で働き、妻が家で子どもを育てる形を理想として、社会制度にしても、家にしても、会社にしても作られていたところはありましたから。今なら共働きしながら、子どもを育てる仕組みが生きやすいように社会が変わってきています。
これはある意味、社会が考える家族のあり方の正解が昔と今とで変わっているとも考えられます。それぐらい何が正しいかは簡単に揺らぎます。誰かに「これが正解だ!」と言われて従っても、後になって「やっぱあれ間違い!」となることがあるわけです。
周りが推奨する家族のあり方というのは変わるし、誰も責任を取ってくれないんだから、自分たち夫婦が「いいな!」と思う形を追求し、何かあれば自分たちの判断で適宜軌道修正するぐらいがいいんじゃないかと私は考えています。
Text/斗比主閲子
初出:2017.08.30
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