3ヶ月だけ付き合うことになった2人
そんな貴重な相手に選んでもらえて光栄だったが、ここからの展開は早かった。
「ニノミヤさんさぁ、今日、ウチに来ない?」
翌日は土曜日だったし断る理由もないので、行くことにした。下りのエレベーターではすでにキスをし、外に出たらもう我々は手を繋いでいた。彼女の自宅までは徒歩15分ほどで、僕のボロマンションとは違ってオートロックがついていた。自分は彼女にこんな生活をさせられないよな、その売れっ子クリエーターの方が彼女を幸せにできるよな、と敗北感を味わいながらもオートロックのドアが閉まる音を聞きながらこの3ヶ月は徹底的に楽しもう、と腹をくくった。
部屋に着くと彼女はいきなり抱きついてきてキスをしてきた。しばらく2人して抱き合いブチュブチュやったが、「もう一回飲もうよ」と言い、冷蔵庫から佐藤さんは缶ビールを2本持ってきて我々は乾杯した。僕が一本飲み終えると彼女は「ニノミヤさん、シャワー浴びてくれば? 私もその後入るから。私が入っている間、冷蔵庫からビール出しといて構わないよ。あ、あと、私たち、今は付き合ってるんだから敬語禁止ね」と言った。
僕はさっそく「分かった。ありがたく飲ませてもらうよ!」と「彼氏風」に答えて風呂に向かった。バスタブはあったけどシャワーを浴びたら、すでにアソコはギンギンになっている。
扉の外では、彼女が歯を磨く音も聞こえてきた。もうこうなったら互いにエロいことをすることしか考えていないだろう。だが、問題は避妊具を持っていないことだ。彼女が風呂に入っている間にコンビニに買いに行くか、など色々と逡巡しながら体を洗い、頭を洗った。脱衣場にはバスタオルも用意されており、僕が乱雑に脱いだ服がきちんと畳まれていた。
ある程度体を拭き、外に出ると彼女は化粧を落としており、風呂に入る準備はできていたようだ。
「あのさ、佐藤さん、ちょっとコンビニ行ってくるよ」
「なんで?」
「いや、避妊具ないから……」
「あぁ、ウチにあるから大丈夫だよ♪」
それは良かった。じゃあオレはビール飲むからさ、と伝え、彼女は風呂に入っていった。
風呂から上がってきた彼女はバスタオルを胸から下に撒き、その白い肌は少しピンクがかっていてそそられた。そのまま自然と僕らはベッドに入り、互いの体をまさぐり合いながら時には首筋をなでたりキスをしたり、そして互いの性器を触り合った。
長めの前戯を終え、いざ正常位で挿入しようとしたところで彼女はベッド脇のサイドボードから避妊具を取り出し、口を使って僕のアソコにつけてくれた。
「さぁ、入れて!」
妙に元気に言われ、完全にビショビショの彼女のアソコに我が元気棒を挿入開始。先端が入ったところ、スルッと動き、彼女は「イイ……」と言った。そのまましばらく動かすことはなく、我々はキスを続ける。そして腰を動かし始めると彼女は途端に乱れまくり、そして、突然起き上がると僕を倒し、騎乗位で腰をグリングリンと動かし始めた。
あまりの激しさとその悶えっぷりというのはこれまでの人生史上もっともエロいシーンで、彼女は約2分後に大声をあげて「アァァァン」と言うと途端に動きを止めた。
「イッちゃった……。ねぇねぇ、私たち、すごく相性合うよ!」
そう彼女は言った。僕はまだまだイく気配もなかったので再び正常位に戻り、ズンズンと突く。彼女は再び身悶え、結局僕が射精をするまでの間「3回もイッちゃった」とのことだった。
結局この晩は3回射精をし、翌朝2人が目覚めたのは11時になっていた。再び風呂に入り、僕らは朝からビールを飲み、また午後も2回セックスをした。
そして彼女の入籍前日になり…
以来、僕らは2日に1回は最低会うようになり、互いの家を行き来することもあれば、デートで行った錦糸町などのラブホテルへ入ることもあった。香港へも約束通り3泊4日で行き、いよいよ最終日、約束の3ヶ月の前日、いや、彼女の入籍前日になった。
この日は僕の家で夜の9時ぐらいからセックスを開始し、11時過ぎまでやったが、事を終え、シャワーを浴びた後、彼女はすぐに広告代理店の営業らしくスーツを着た。
「さて、あと30分ぐらいで約束の日が来るわね」
「うん、そうだね」
「この3ヶ月間、楽しかったよ」
「俺も楽しかった」
「本当にセックスしまくったね。3ヶ月で150回ぐらいはやったよね」
「うん、コンドームの減り方がハンパなかった」
そして最後に僕らはディープキスをし、11時55分、彼女は外に出て行った。以後、彼女とは仕事の現場で会うとき以外に会うことはなくなったし、仕事で出会っても彼女はタメ口、僕は敬語、という以前の関係に戻ったのであった。
Text/中川淳一郎
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