第5回:前田敦子はちらし寿司の具でいうと菜の花!?
あっちゃん、ピンでやれんのか!
前田敦子がAKB48を卒業しました。
弱冠21歳の女の子がアイドルグループをやめるというだけで、ライブは生中継され、ニュースにも取り上げられるなど、日本中が大騒ぎ。 まさにAKB48の国民的な影響力を見せつけるようなできごとでした。
しかし、同時に私たちには、ある言い知れぬ不安がよぎります。
果たして彼女は、これからどうしていくのか/どうなっていくのか。
もっとハッキリ言ってしまえば、「あっちゃん、ピンでやれんのか?」ってことです。
秋元康自身が語っているように、AKB48はもともと「クラスで5~6番目くらいにかわいい」女の子たちを集めて結成されました。
その「がんばれば俺にも手の届きそうな感じ」こそ、AKB48が人気を博した秘密のひとつ。
つまり、もともと彼女たちはピン仕様ではなく、集団としてかっこよく踊ったり、仲良くイチャイチャしている、そのようす全体を見て愛でるようにできているアイドルグループです。
はからずも、第3回選抜総選挙であっちゃん自身が語っている通り、「私(=メンバー単体)のことは嫌いでも、AKBのことは嫌いにならない」システムになっているのです。
これを私は、「ちらし寿司システム」と呼んでいます。
“AKB48=ちらし寿司”理論
ちらし寿司は、一般にひな祭りなどのお祝い事やパーティーの席で出される「豪華」な料理です。
しかし、スーパーの弁当コーナーや、寿司チェーン店などに並んでいるちらし寿司は、よく見ると刺身や握り寿司のネタとしては使えない、切り落としや余り部分を巧妙にリサイクルして作られていることがわかります。
中には、子持ち昆布といった地味な食材や、なんだかよくわからない魚の卵なども、彩りとして混ぜ込まれていますが、これらの雑多な具材のおかげで見た目が華やかに仕上がり、具だくさんだけど味の調和もとれたおいしい一品に仕上がっているわけです。
そして、このちらし寿司をAKB48として考えたときに、偉大なる「不動のセンター」こと前田敦子は、果たしてなんだったのだろうかと考えさせられるのです。
モデル並みの容姿を持つ篠田麻里子はエビ、花形の大島優子はマグロ、全体の立役者である高橋みなみは玉子、ギャル層の若者に人気のある板野友美はサーモン。
前回の総選挙で大躍進を果たした柏木由紀はイカ、次世代のエース最有力・渡辺麻友はイクラ、HKT48に移籍してしまいましたが、ヘタレキャラで異例の人気を獲得した指原莉乃はレンコンといったところでしょうか。
そう考えていくと、意外にもあっちゃんのポジションって難しいんですよ。
ちょうどいいネタが見当たらないんです。
悩み抜いた末に、私が出した結論は「菜の花」でした。
- 1
- 2