「ブランド使い捨て女」[ブランド・ツカイ・ステ・オンナ] bɹand・t(j)úkai・ste・onna
生息地:無駄に服が多い部屋を巣にする。その部屋は生活感をまったく排除した状態か、逆にキッチンがベタつくなど不潔な状態かのどちらか。
特徴:買い物は旗艦店で買うことが多く、百歩譲っても百貨店。モノにも人にも愛着が薄く、情がないため他の生物が寄り付かない。
“プラダ”のレザーのパンプスを、ボロッボロにしている女を電車内で発見。
上に目をやると、手には同じく“プラダ”のエナメルバッグにヒビが入ってる。
使い古された感じじゃなくて、ゾンザイに扱われた高級シューズ&バッグ。
使い古された感じなら、そのくたびれた感じも味になっているけれど、ゾンザイにあつかわれたものは、可哀そうな顔をしている。
ちゃんとケアしていれば、もっと美しくいられたはずなのに。
高いバッグを押し入れに重ねて入れたり、シルエットの美しいジャケットを針金ハンガーに吊るしたり。
モノの付加価値だけを手に入れたいだけの女はそういうことするの。
ヒールが取れたら買い替えるより修理代のほうが高いからってゴミとして捨てたりするの。
もしくは売れる状態なら街のどうしようもない質屋に入れようとしたりするの。
当然、そんなボロボロのもの、ブランド品でも高く売れないけど。
丁寧に作られたものって、手元に来るまでにいろんな努力と過程を踏んできた愛情が詰まっている。
だから、高い。
なのに、それを無視して肝心の使う側が愛情を持てないのなら、その品物の人生はそこで終わってしまう。
そんな愛情すら感じられない人間が、どうやって人のことを愛せるのか疑問。
もちろん、安いものにこそ愛情を注げたら素晴らしいけれど、それが難しいのは仕方がない。
でも、“一流”だろうと“三流”だろうと、モノの魅力を最大に引き出せる扱い方ができる人に出会うと、本当に価値のある人だなあと尊敬しちゃうわね。
って、やだ! 去年の浴衣、クリーニング出すの忘れてた~。襟元が黄ばんでる~。わ~ん、ごめんなさい(;_:)
advice
中身の伴わない“高級志向”はモノへの侮辱。モノへの愛情を意識できたら、人への愛情もきっといいものになるはず。