“ 忘れられない彼との別れ…。そこには切なくも悲しい“ごはん”がありました。みなさんが体験した別れのごはんエピソードを紹介します。
menu1店主が睨みをきかせる! 博多とんこつラーメン
うまくいっていたはずの彼に「元カノのことが忘れられないから」そう言ってフラれたのは付き合って半年経った頃。続けて「お前のことも嫌いになったわけではない…」とか都合のいいことばかり並べられ…、だんだんとイライラして危うく手が出そうになりました。
すがりつく気も失せ、「わかった。バイバイ」と荷物を持って彼の部屋を飛び出し、駅で幼馴染の男の子に「ラーメン食べに行こう」と電話。とにかく1人ではいられなかったのです。
幼馴染はすぐにバイクで向かえに来てくれ、幼馴染オススメのラーメン屋に。 当然のことながら、意気消沈しすぎて食欲がなく、ラーメンは一口がやっと。
しかし、そこは幼馴染がかねてから行きたがっていた有名ラーメン店。店主の眼光が鋭く光り、気まずい時間が…。見かねた幼馴染が私の分も食べてくれました。
店を出ると「ラーメン食べたいって言って、全然食べないってどういうこと?」と多少怒っていましたが、「ごめん」とうつむく私に、それ以上しつこく聞くことなくそのまま家に送ってくれました。
(早苗/26歳/教育関係)
<編集部からの一言>
女友達ではなく男友達にしか埋められない心の隙間というものがありますよね…。それにしてもこの幼馴染の男の子は本当にいい男!早苗さんがうらやましいです。
menu2手作り!鶏肉と油揚げの京風うどん
大学3年から4年付き合った彼との別れは突然でした。いつも優柔不断な彼がいつになく「話がある」と切り出したのは、土曜日の昼すぎ。私が作ったうどんを二人ですすっているときでした。
普段は優柔不断な彼が真剣な顔で「話がある」というので、何事かと思い顔を上げると、「別れよう」と一言。 彼の緊迫した表情に「どうしよう」それだけが頭に浮かび言葉につまりました。
「他に好きな人ができた。ごめん…ごめんな…」と、あとからあとから涙を流す彼の姿を見て、怒りなんかよりも、彼を失う怖さと辛さで自然と涙が出ていました。
目の前には、食べかけのうどんが申し訳なさそうに。思えば、彼に初めて作ってあげたのも、うどんだったな。手が込んでいるわけでもないのに妙に感激して美味しい美味しいと言って食べてくれた彼の顔を思い出すと、涙から嗚咽へと変わりました。
「…せっかく作ったんだから食べてよね」そう言い、私が咳き込みながら、うどんをすすり始めると、彼も黙々と、うどんを食べ始めました。 今でも鮮明に覚えているそのうどんは、涙のしょっぱい味と泣きすぎてにぶくなった舌の上で転がる無機質な麵の感触。
そして涙とうどんをすする音でした。ずっと優しくしてくれた彼のために最後は困らせずに身を引こう、そう思えた夜でした。
(maiko/28歳/金融関係)
<編集部からの一言>
泣きながら食べるごはんの味…。誰もが経験したことがあるのでは?彼のことを思って身を引く、maikoさんのようにできる女になりたいものです。
Text/AM編集部