脱・スーパーコメディ生活

このすり減りの先にあるのが「かわいそうな世代だねぇ」なんじゃないかと思う。知らないことを馬鹿にされたり笑われるくらいならもういいし!タメの奴とだけつるむし!プンスカ!

すり減ってしまったエネルギーが変換されて、こんなフレーズが生まれてしまったのかな。

きっと、淋しかったんだろうなと思う。歳をとるにつれて、若い頃の思い出は輝きを増す。一方で、そのユートピアを共有できる仲間は減っていく。時代はどんどん流れていって、いつの間にか、今を生きているはずなのに自分が過去の人間のように思えることが、きっとあるのだ。でも、それがどんなに淋しくても、意地悪言わないで欲しい。意地悪されてもどうにもならないし、それどころか私たちが仲良くなるチャンスはますます減る。そんなのってあんまりだ。とても淋しいじゃないですか〜やめよ〜?

誰だって歳をとるし、ものすごいスピードで文明は進化して、新しいものだらけだ。実は、私はTikTokのやり方がわからない。でも、そのことをあんまり馬鹿にしないでくれたら嬉しいなぁと思う。普通に、TikTokを教えてもらえたら嬉しいな。お返しに私は、任天堂64のマリオパーティーの必勝法を教えるから。そうやって、普通に、お互いが知らないことを教えあいたい。

日常はバラエティ番組じゃない。お互いの生まれた時代の違いを過剰に浮き彫りにして、無理やり笑いにする必要ってないのだ。誰かが何かを知らないことを自分の自尊心の肥やしにするのも絶対に間違ってる。これ以上、年齢が理解を断絶することがないように、今ここでうちらがなんとかできたらいいねって祈りを込めて。

TEXT/長井短

次回は <「あの人を好きって決めたのは私」腹を括ろう2019年>です。
長井短さんの連載新年1発目のテーマは「幸せな恋」。自分は幸福な恋愛をしているつもりなのに、周りからとやかく言われて自信が持てなくなるという経験がみなさんにもあるかもしれません。2019年をたくましく生きるための心構えとは。