どうも初めまして、モデルと女優をやっている長井短です。「モデルと女優」って、やばい挨拶ですね。「さぞキラキラした人生を送ってるんだろうな」と思われてしまうかもしれませんが、全くそんなことないです。いや、正直こういう仕事すれば勝手にモテるのかなと期待してました。全然だわ。モテません。
せめてお洒落に生きてみたいと思うんですが、基本的に全員に蔑まれていると思って生きているので、お洒落に過ごすなんてなんだか申し訳ない。それ以前にやり方がわからない。そんな私がプライベートで愛するもの、飲み会です。普段人見知りの私も、お酒のおかげでペラペラおしゃべりできるしあーもう今すぐ一軒め酒場行きたい。ついこの前も行ってきました。すぐ行っちゃう。そしていつも楽しい…っていうのはちょっと嘘で、いつも楽しいわけではなくなってしまいました。
大好きな数少ないお友だちと飲み会をしていたはずが、歳を重ねるごとに予定が合わなくなって、気付けば厳密な「お友だち」と飲み会をする機会は減ってしまったのです。
そうして24歳になった今、「2回くらい会ったことある人との飲み会」という謎イベントがスケジュールに出現。あれ、これは私の愛した飲み会じゃないのでは?と、1度は一軒め酒場への足が遠のくけどやっぱり行っちゃう。そして帰り道にいつでも感じるモヤモヤ。「あの子、なんであんなにちやほやされてたんだろう?」
欲望にストイックな女の子
え、いません?なんか凄いちやほやされてる女の子。この間私の隣の席に座ったオフショルダーハイパーグロス女子もまさにそうで、「変わってそうだよね〜なんか凄い自分の世界持ってそうで羨ましい〜あたし凄い普通だから恥ずかし〜隣にいるの緊張する〜」
…そうやって私を褒めながらどんどん敷居を高くして、私を男の子の恋愛対象からじわじわ除外することで親近感でヒロインの座を勝ち取るの、お願いだからやめてほしい。
どこにでもいる。え、どうやってるの?あなた達どこからきたの?そしてどこへ行くの?頭の中彼女たちでいっぱいなので、ちょっと真面目に考えてみようと思います。
例えば、一軒め酒場で開催された飲み会にエマ・ワトソンがいたら。99%の確率で、その場で一番可愛いのはエマ・ワトソンです。でもエマ・ワトソンが1番ちやほやされてるかを考えると…どうもイメージしにくい。え、じゃああのちやほやガールズはなんだろう?第1印象で圧倒的美しさを見せつけたわけでもないのに、いつの間にかちやほやされる彼女たちの周りに飛び交う「可愛い〜」そんなに美人じゃないのに。あ〜言っちゃった!
でも彼女たちの欲しがり方には感心しちゃう。だって餌の巻き方が凄い。隙の作り方は見事だしボディタッチは呼吸と同じ。港区勤務ツーブロックマンのしょうもないギャグに大いに笑い、笑った流れでしなだれかかって、酔ったふりしてスロウに動きつつも取り分けは光の速度。満腹でもひと口ちょうだい寒くてもなんか暑い。求められればモノマネだってする。
欲しがって欲しがって、そうしてやっと手に入れられるもの、それが「ちやほや」だ。きっとエマ・ワトソンは今更ちやほやを欲していない。対してちやほやガールズは心底欲していて、だから日々努力してる。モテテクについての本を読み、男ウケの良い服を買ってメイクをして、興味がない話にも自我を押し込みついていく。その努力への対価があのちやほや。正当な対価。「求めよ、さらば与えられん」なのね…
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