写真の神様に祝福された作品がズラリ!『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』

 篠山紀信といえば、1950年代後半から今日に至るまで第一線で活躍し続けている、日本を代表する写真家です。
日本人なら、彼の作品を見たことがない人はいないといっても過言ではないでしょう。
ところが、これまで美術館での回顧的な展覧会については、開催を拒み続けてきました。

篠山紀信展 《ジョン・レノン オノ・ヨーコ》1980年

  そんな彼の、国内美術館では初となる大規模個展が、10月3日(水)から東京オペラシティ アートギャラリーにて開催されます。
 被写体も、撮影者も、それを見る人々も、誰もが唖然とするような力がみなぎった尊い写真を「写真力」と表現した篠山。
本展では、彼が自ら「写真の神様が舞い降りてきた」と認める約120点を、「GOD」(鬼籍に入られた人々)、「STAR」(すべての人々に知られる有名人)、「SPECTACLE」(私たちを異次元に連れ出す夢の世界)、「BODY」(裸の肉体、美とエロスと闘い)、「ACCIDENTS」(3.11 東日本大震災で被災された人々の肖像)の 5 つのセクションに分けて展示しています。

篠山紀信展 《山口百恵》1977年

   写真はすべて、オリジナルプリントを額に入れて鑑賞する一般的な展示ではなく、今回の展示空間のためだけにダイナミックに引き伸ばして出力されたもので構成されています。
そこに写し出されるのは、三島由紀夫、山口百恵、宮沢りえ、市川海老蔵……。誰もが知っている被写体が、美術館という広い展示空間で、誰も見たことのない輝きを発するのが体感できるでしょう。
 また、会期中には野田秀樹×宮沢りえ、市川海老蔵、中村獅童、後藤繁雄(編集者)といった豪華ゲストと篠山自身によるトークショーも開催。日本の写真史に残る偉業の「確認」にとどまらず、また新たな「伝説」の誕生に立ち会えるかもしれません。
 篠山紀信の名を一度でも聞いたことがあるなら、彼とデートで訪れてみて!
 きっと素敵な時間が過ごせるはず。影響されて、彼が「君のヌードを撮らせてくれ」なんて言い出すかもしれませんが、責任は負いませんよ!

名称:『篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN』
会期:2012年10月3日(水)~12月24日(月・祝)
会場:東京オペラシティ アートギャラリー
開館時間:11:00 −19:00 (金・土は 20:00 まで/最終入場は閉館の 30 分前まで)
休館日:月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入場料:一般1,000(800)円/ 大高生800(600)円 中小生600(400)円
※同時開催「収蔵品展 042 やさしさの気配」「project N 50 榎木陽子」の入場料を含みます。
※収蔵品展入場券200 円(各種割引無し)もあり。
( )内は15名以上の団体料金。その他、閉館の1時間前より半額、65歳以上半額。土日祝日の中小生無料。
※障害者手帳をお持ちの方および付添1名は無料。割引の併用および入場料の払い戻しはできません。
問合せ:03-5353-0756
URL:https://www.operacity.jp/ag/

Text/Fukusuke Fukuda