お互いを尊重すれば重婚だってできる「二次元の嫁がいるけど結婚しました」/トイアンナ

トイアンナ 夫婦 恋愛 キャリア Clem Onojeghuo

こんにちは、トイアンナです。この媒体『TOFUFU』は夫婦のあり方を探るメディアということで、せっかくなので2年一緒にいる夫の前から連れ添っている二次元の嫁の話をします。

私がオタクになったのは、もういつのことだったか。物心ついたときにはセーラームーンの変身ポーズを踊っていましたから、今となってはもう分かりません。最初は肩身が狭かったような気もしますが、小学生になって『新世紀エヴァンゲリオン』で人生を踏み外した同輩が増え、大変助かりました。

当時エヴァで好きなキャラはミサトさんとリツコさんで、お前どんだけ姉御キャラ好きなんだよ、というかもはや母親の代わりをアニメキャラに求めていたとしか思えません。当時バブみという言葉こそなかったものの、概念上は先駆者のひとりであったと自負しております。

運命の赤い糸で結ばれてしまった……。

 そんなわけでマザコンをこじらせていた私は、年上の女ばかり狙っていましたが(女子中学生が熟女を好きというのも、今思えばなかなかアツい)、バカをやっているうちに、現実で彼氏ができました。ご多分に漏れず彼もオタクで「葵(漫画『藍より青し』のヒロイン)はワキ毛が生えないのに、お前は生えるのか……」と傷つく繊細なやつでした。

その彼が好きだったのが『シスター・プリンセス』という作品。当時は雑誌に絵とテキストが入り交ざった絵本形式で連載されていました。まず、ストーリーに目が点。

「ある日突然、あなたに12人もの妹ができたらどうしますか?(略)そのうえ……彼女達はみんなみんな、とびっきり!お兄ちゃんのコトが大好きなんです……」

びっくりするよ。いきなり妹が12人できたら。

最初は笑いながら読んでいましたが、そのうち妹たちの葛藤を知ります。兄だから結婚できないと一人むせび泣く妹、留学を控え寂しさを見せる妹その2、前世では恋人同士だったのに兄妹として転生してしまったと諦観する妹その3。年上好きはどこへやら、気づけばすっかりトリコ。以来、咲耶という妹が二次元の嫁となりました。(私が年を取りすぎて妹より娘の年齢に近づいてるけど、お姉ちゃん負けない)