東京で日常を生き、その狭間のふとした瞬間からtwitterにこぼれ落とされる言葉たちが静かに、しかし熱狂的な支持を受けている「はくる(@silonica)」さん。ゴールデン街など、さまざまな人間交差点に立つ彼女は、一方で、映画や文学をはじめとした様々な物語のよき受け手でもあります。恋愛相談に答えつつ、オールジャンルの魅力的な作品たちをご紹介する新しい形の恋愛カルチャーガイドが、ついに始まります!
【相談】
2年間同棲している彼氏がいます。その彼氏と結婚しようと思い、浮気相手に別れを告げたら、思いがけず浮気相手からプロポーズされました。彼氏に対して不満はありません。ただ、ときめきは皆無で一年半セックスレス…。その点、浮気相手とは1年半強、ラブラブ状態が続いています。私はどちらと結婚すればいいでしょうか。(26歳・金融・O型)
別れられない理由は「離れがたさ」
こういった相談に対して、「どちらを選んでも結局は後悔が残る」という答えが返ってくることが多いのではないでしょうか。ここでは果たしてそれは本当に真実なのかということを考えていきたいと思います。
セックスのない生活に嫌気がさした夜は、浮気相手に思いを馳せる。浮気相手のデートに不満があった日には、楽である彼氏のことを思い出す。ふたりの男性と生活を共有していると、お互いの欠点をもうひとりの男性で埋めることができるので、つねに満たされた気持ちでいられます。きっとそれは合理的なことで、あなたはそこに甘んじているのではないでしょうか。
相談の内容から察するに、彼氏・浮気相手共に交際期間が長期であるようですが、ここでネックとなるのは「離れがたさ」ではないでしょうか。どちらを選んでも、悪いことだとは知りつつもあなたが当然のように過ごしてきた人生の一部を失ってしまうことになるわけです。
もうあの部屋には行けなくなるのかもしれない、もう近況を本人の口から聞くことはできなくなるのかもしれない、相手に次の恋人が出来てしまって私は傷付いたりするのかもしれない。そうなった時にあなたが受けるダメージは、きっと並大抵のものではないでしょう。