1973年11月30日 私は顔ファンじゃない
学校帰りに本(マンガ)を見ながらひろみの話が出た。田村さん、佐々木さん、金井さんなどはみんな五郎ファンだから、ひろみの写真見て「足が長いネ。五郎はチョットおちるネ、顔も?おちるかな。でも歌がうまいもんネ」なーんて事を言っていた。私はこういう事を言われるのがとてもイヤだ。
なぜなら、私はひろみの歌にひかれたのでも顔にひかれたのでもないから。私はひろみのハート、やさしい心が大好きなのだ。ひろみのファンだというと、「顔がいいからネ」なんて事を言われそうなんだけど、私は違うという事を伝えたいなァ。もちろん、顔もひろみって美男子だから魅力を感じてない事もないけど…。
1973年12月9日 好きすぎるから忘れたい
きょうの「ゴールデンショー」を見て、スッゴクうらやましくなった、ひろみがあるファンの女の子の家を訪ねて、食事をしたり一緒に歌を歌ったりしたのだ。どうしてあの女の子だけ?ずるい!と思ってしまった私はいけない子?ひろみってやさしくてどうしてあんなにステキなの?もうひろみの事なんて忘れたい。私のいつものくせで、またこんな事を思い始めてきた。あるスターを好きになっても、好きになりきってしまうと、もう自分が悲しいから早く忘れたいという事である。
1973年12月11日
ひろみを好きになってしまったばっかりに
私はどうしてヒロミをこんなに好きになってしまったの?もう前のような気持ちにはもどれないのでしょうか?
私が今思う事は、あの時の「芸能人野球大会」を見なければよかったという事。あの時のヒロミはよく打ったし、けがをしながらも投げている姿に何かを感じたのだ。それからというもの、ひろみはだんだん私の心の中に入ってきて、今ではもう好きになりきってしまい、そして悲しくなり、忘れたいというところまできてしまった。
この日記も、あの野球大会以前には、ひろみの事なんて一言も書いていなかったのに、このごろはひろみの事ばっかり。まるでひろみの事をかくための日記のような気さえする。こんな私にしてしまったのは、ただひろみのルックスがいいからだけではない。私はひろみの性格、やさしくって誰からも愛されるという性格に強く引かれたのだ。
小学校5年生の頃、私はザ・タイガースのジュリーの大ファンだった。あれ以来、こんなにもスターを好きになったのは、4年ぶりくらいである。中学時代から歌謡曲は好きだったけど、特別に好きなスターはいなかった私なのに。私は自分がいやになってきた。
そしてバカらしく思える。スターなんて、どうせ別の世界の人で、自分の気持ちが伝わるわけでもないのに、こんなにもひろみを好きになってしまった自分の心が!
ある雑誌に載っていた文…
「男の子にとっては青春の代弁者。女の子にとっては永遠のあこがれ…。スター郷ひろみ。ひろみこそ、まさしくスターだ」そう、郷ひろみとは私にとって永遠のあこがれ。そしてスターなのである。だから…私は悲しい!
☆ひろみへの想いが大きくなりすぎてしまった彼女。ひろみを想うあまり、他のアイドルへと嫉妬を向けるようになり…!? 次回は「郷ひろみの月給なんて知りたくない」をお届けします。
※本文に登場する人物名は、すべて仮名です。
Text/かみやじん
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