タイムマシーンに乗るような経験

こういう新しい消費の仕方や文化を経験できるのが旅行です。
今までは所有をしなければその物が提供する価値を利用できなかったのですが、
所有はとても無駄が多かったのです。
例えば自動車を買っても24時間のうち何時間乗りますか?
乗っている時間は長くて数時間、少ない人は1時間未満。
大部分の時間は自宅の車庫で眠ったままでした。
それがIT技術の進展で、車は持っていないけど乗りたい人と
持っている車を有効に使いたい人のマッチングが上手く進み、
シェアする仕組みができて来たのです。

AIや自動運転が進化したら、ますます車は効率よく使われるでしょう。
所有に拘らなければ、新しい消費形態が広がっているのです。
日本にいると規制や人々の所有に対する執着、そして生産者側の論理で変わらないことも
国外では進んでいる事例が沢山あります。
特に規制が緩い新興地域は消費の実験場です。
実際に経験をすることで世界の新しい動きを肌で確認できるのです。
それはある意味でタイムマシーンに乗って未来を旅する感覚にも似ています。

今日は現地に着いて空港を出るところまでで時間が来ました。
次こそは滞在中に感じたいことについて触れていきます。

Text/肉乃小路ニクヨ

初出:2017.04.18

次回は <お金を払って「いいもの」を買う経験があなたの内面を格段に豊かにする>です。
海外旅行に行くことで知れるのは格差についてだけではありません。そこには日本とは明らかに違う文化が広がっていて、とくにお金の価値について考えることのきっかけになったりもします。日本では牛丼チェーン店でも格安でサービスが受けられますが、外国ではそうはいきません。でも、だからこそ、そこで対価を支払う経験があなたを豊かにするのです。