20,30代で身につけた「人生の技術力」が、40代を楽しくさせる

―なるほど。では、こだわりの20代を過ごして迎えた30代では何かしら世界が変わりますか?輝いているイメージの強い20代を終えたら、どういう心持ちで30代を迎えればいいでしょうか?

川崎:私個人の話だと、30代のはじめは娘という存在ができたことで自分の中でパラダイムチェンジが起こって、そのあとにリーマンショックや離婚があって、また再婚や出産があったりして、ライフラインを描くとガタガタなんですよ。ただ、リーマンショックで年収がなくなってどん底まで落ちてもライフライン曲線が戻れたのは、、20代で身につけた“稼ぐ力”があったから。そのおかげで一時的に経済力や希望がなくなっても停滞せずに済んだというのはあったと思います。
私の場合、40代が一番ラク。体はヨボヨボですけど、今が一番楽しいんです。絶対に戻りたくないですね、20代にも30代にも。肌だけとか、体だけならいくらでも戻りたいけど(笑)。

―40代はラクなんですね。

川崎:超おすすめです、40代。最近「幸せだなぁ」と毎日思うのですが、死期でも近いんでしょうか?(笑)
とにかく40代になると、いろいろなことが自分のパターンとして分かってくるから、いるモノといらないモノが分かってきて迷いがなくなります。それに、「この人とは合う、合わない」っていうのもすぐに分かるようになるし、断る能力も高くなっているから、自分の好きな人とばかり会っていられる。そういう気配が出せるというか、イヤな人は向こうも気軽には誘ってこないから、ムダなエネルギーを使わずに済むようになるんですよ。

家入:オーラで断るんですか(笑)。すごい。

川崎:うん、オーラで断る(笑)。でも、そうすると女はラクですよ。ラクだし、多くの時間を自分の好きな人と幸せに過ごせるわけじゃないですか。

家入:「人生も技術」ですね。

川崎:技術です!(キメ顔)
20代や30代って、「自分の糧になるんじゃないか」っていう思いや、合わない人がよく分からないとかで、ムダな人間関係にムダな時間を費やしてストレスを溜めているんですよ。40代になると、それがないの。会う人会う人、好きな人、みたいな感じ(笑)。
昔はイヤなおじさんと仕事しなくちゃいけないとか、人をバカにする人間的にも尊敬できないような人とでも「うまくやらなくちゃ」とか、そういうことに心を砕いていたわけ。でも、自分なりのものを積んで40代になった今はそういうのがなくなった。それでももし当たったら、断ればいいんだし。オーラで(笑)。

家入:そういうオーラ、身につけたい(笑)。

川崎:それができるようになると、私の場合、周囲は「私にとって素敵な人」ばかりになりました。対談する男性とかも「ここで蛍が舞ったらロマンティックですよね」とか、女子力が高かったり、女性性を隠さない男性ばかりなんですよ。でも、私はそういう男性の方が面白いと思うし、発見も多いので、ありがたいと思っています。
これがマウンティング系男性相手だったら絶対にケンカになりますよ。だから、「川崎さんケンカしそうだから、この人はやめておきましょう」みたいな、その場がしらけないように周りが判断してくれているのかもしれないですね。そういう人選をされないのは。40代にもなると「川崎貴子っていうおばちゃんは、こう」って、周りが分かってくれるようになるんですよ。20代って、たぶんまだキャラが曖昧だから、合わない人とでも人選されちゃうのかもしれませんね。