昨年末、ほとんど忘年会のお誘いがなく「わたしって実は、あんまり好かれてないのかな……」なんてちょっとへこんでいたのですが、年を明けた途端に、友人知人たちより、「新年会でもしようよ」という誘いがいくつかあったと同時に、仕事関係でもお声を掛けていただき、ほっと胸を撫でおろした次第です。
昨今は忘年会ではなく新年会で集まるのが主流なのだろうかと、ちらりと疑問を抱いたりもしたのですが、個人的にも、なんとなく気分的に忙しない年末よりも年始のほうが、やはり「久しぶりに集まって飲みたいな」なんて気持ちを持てるような気がします。
さて、友人たちと集まるこじんまりした集まりではなく、仕事関連の新年会では、初対面の方との出会いなどもあって、それもまた刺激があって楽しいのですが、先日、少々びっくりしたことがありました。
新年会で出会った小顔テクニック
とある新年会の席で、初めて会って名刺交換をした女性に「一緒に撮りましょ~!」と言われ、写真に撮ることになったのですが、その撮影の際、隣に並んだ次の瞬間に、彼女が一歩後ろに下がったのです。
大勢での集合写真ならまだしも、ツーショットで撮るのに、立ち位置に差をつける意味がわからない。遠目の画角で映したいのかと思い、彼女に倣ってわたしも一歩後ろに下がり、立ち位置を合わせたところ、また少し下がる。なぜ下がる?
……ああ、これはひょっとして噂に聞いている「顔を小さく見せるテクニック」というやつか! リアルにそんなテクニックを使う人に会ったのは初めてだったので、「やっぱり外に出ると面白いことや、発見があるわ」としみじみと思ったのですが、それにしても顔面遠近法、いざその目に遭ってみると、これがなかなかモヤる。
写真には実物よりもよく映りたい、できるだけ可愛く綺麗に映りたいと願うのは当然だし、それに対しての熱量は人それぞれ。「絶対に不本意な映りの写真は、外に出したくない」という人もいて当然だと思います。けれども、加工アプリでガンガンに磨いて、宇宙人のようにされるくらいは「そういうセンスなのね」で済ませられますが、さすがにあからさまにダシにされるのは気分が悪い。かといって張り合うように立ち位置争いの攻防に参戦もしたくない。
「小顔テクニック、ひとりだけずるいですよ~」とやんわりと冗談めかして注意すれば、溜飲は下がりそうですが、なんだか後味が悪そうでもあり、悩ましい……しかし考えてみれば、そんなことをする女性とは、あんまり気が合いそうにない。ゆえに、どこまで踏み込んだ付き合いをするかのリトマス試験紙として、「早めにわかってよかった」ということで、せめてもモヤモヤとした気持ちをなだめようと思います。
Text/大泉りか