時代性を見事に入れ込んだ『テッド2』の本質
『テッド2』は前作同様、シリアスな物語をしっかりと入れ込んでいます。
今回モチーフとなっているのは何と南北戦争。ジョン・ジェイクスの 『南北戦争物語 愛と自由への大地』やドレッド・スコット事件がこのエロ熊R指定映画のモチーフになっているのです。
※町山智浩さんの「たまむすび」のラジオを元にいくつかリサーチをかけました。
子供を持つ権利を求めて、テッドは「人か物か」の裁判にかけられます。これは1857年に黒人ドレッド・スコットが自由の地位を主張して起こした裁判、ドレッド・スコット事件に着想を得ているのです。
また、アメリカでは2015年になって同性婚が合法化されました。その一方で未だに人種差別主義者により銃乱射事件や白人警官の差別的対応などが根強く問題として残っているます。
自由を新たに得る者がいる一方で、根強く自由を感じられない人もいるアメリカという国の現状を上手く描いているのです。しかも決して難しい感じではなく、あくまでも映画の表は下品なコメディなのはぶれません。
僕自身、それで良いと思いますし、それが良いと思います。あくまでもテッドとジョンの友情を軸にすることで、小さくてもしっかりと私たちの心に優しさや友情の大切さが宿るのです。
下品で爆笑映画でありつつ、根底に流れるシリアスでメッセージ性の強い題材。下ネタを許容できる皆さん、『テッド2』の面白さを是非味わいましょう。