スクールカースト後遺症は、かなり根深い

山田:僕、この間スクールカースト後遺症の話をしたじゃないですか。
全ての人たちは、スクールカーストの後遺症で苦しんでいるだろうという。
日本人は、人生の前半十何年かの間に、後々引きずるぐらいのものすごい後遺症となる目に合うんですよ。

 ひとつは、イケメンがモンスター化していく問題。
『ドラえもん』のジャイアンってヤンチャな乱暴ものなんですけど、現実だとこれが元KAT-TUNの赤西みたいになっていくわけです(笑)。
あんなやつがクラスにいたらどうするんだって。

岡田:ギャルのモンスター化が90年代~2000年代の問題だとすると、2010年代の問題は、イケメンモンスター化ですね。

山田:例えば、クラスに神田うのがいた場合を想像してもらうと、ギャルのモンスター化はイメージがつくと思うんです。
「私、あの子嫌い」って言ったときに、みんな「そうっすね」という感じになって、学校に来れなくなるみたいな。

岡田:ギャルのモンスター化は、モテない男の子のマンガ家がよく描いてくれるじゃないですか。「女の子が怖い」って。
でも、イケメンがモンスター化するって絶対誰も描かないよね。
これは、まず女性漫画には載らない。
なぜかというと、女の子は、モンスター化したイケメンのことを、「私が好きになったイケメンは性格がいいに違いない」って思っちゃうからなんです。『花より男子』の道明寺のパターンですね。

山田:そのモンスター化したイケメンが、私だけを愛してくれるってことを期待してみんなその漫画を読むんですよね。

岡田:なかには性格のいいイケメンもいるはずだと思っている。
でも現実では、性格がいいイケメンがいたとしても、誰か女の子ともうくっついていて、浮気もしないので、手の届かない物件になっているんですね。
現在、25歳のあなたの手に届く性格のいいイケメンなんて存在いませんよって言いたい。

山田:木村拓哉がデビューしたときにすでに彼女がいたとか、藤井フミヤが昔から付き合っていた、幼馴染と結婚したということも、80年代からの流れで一応ありますよね。
だから、そういう幻想を担保する事例もちょっとあったんじゃないかなと。