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市場を制するものは、恋愛を制す?
消費者トレンドをつかむマーケティング専門家のヨツモト先生が、ニシイ助手とともに恋愛市場の“いま”を読み解きます!
前回の「ひと手間かけたメールで“あなたのため”を伝えよう!」も合わせてどうぞ。
女性は“私のため”のひと手間に弱い!
- ヨツモト先生
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さあ、前回までは女性に“私だけ”の特別感を感じてもらうためのメールの書き方について考えてきたわけだけど……。
- ニシイ助手
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正直、女性会員の意見を聞いて「いろいろ面倒くさいな」と思った男性は多いかもしれませんね。たかがメールのやりとりに、そんなに手間をかけられるほどヒマじゃないよ……って思った人もいるんじゃないでしょうか。
- ヨツモト先生
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そうだね。でも、ちょっと考えてみてほしいんだ。
1通のメールなんて、携帯ならたかだか6~7行だろう? 長文のメールはかえって嫌がられるから、スクロールせずに済むくらいの文字量がちょうどいいよね。
- ニシイ助手
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その中で、相手のプロフィールに目を通して、共感できる話題や気になった話題にひとつだけ触れてみる。たったそれだけのひと手間で“テンプレ感”がなくなって、女性は“私のプロフィールをきちんと読んでくれたんだ”と好感を抱くものですよ。
- ヨツモト先生
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女性は、“お金”よりも“時間”に対価を求める傾向にあるからね。お金をかけた高価なプレゼントよりも、“私のために時間や手間をかけてくれた”というストーリーに対して、より特別感を感じるんだ。
対して男性は、無駄な時間を使うくらいなら、お金を出してすぐに「何かをしてあげた」成果を残したほうがいいと考えてしまいがち。
- ニシイ助手
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お金を支払う/高価なものを買うことが男のプライドだと思っている男性はまだ多そうですね。でもそのせいで、男女の気持ちがすれ違ってしまうことって、よくあるんですよ。
- ヨツモト先生
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僕も覚えがあるな。昔、付き合っていた女性との記念日に高級レストランに連れて行ったんだ。彼女は2000~3000円くらいのちょっとしたプレゼントをくれたんだけど、僕は2万円近くそのレストランで奢っていたから、それがプレゼントのつもりだったんだよ。ところが、「あなたは何もしてくれないのね」って、みるみる機嫌が悪くなっちゃって……。
- ニシイ助手
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花一輪でもいいから「君のために選んだよ」って渡せばよかったんですよ。
男性にとっては“え、そんなこと?”と思うようなことでも、女性にとっては“私のことを考えて時間を割いてくれた”という事実が嬉しいんですから。
ひと手間かけることよりも、相手を喜ばせることが目的
- ヨツモト先生
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バブル景気の頃は、女性も「高級レストランで奢ってもらって当たり前」という意識だったけど、今は違う。
男性の収入をあまり期待できない時代だからこそ、愛情表現に“お金より手間”を期待する感覚はむしろ高まっているかもしれないね。
- ニシイ助手
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そうですね。同じように女性へのメールにも、「私のことを考えてひと手間かけてくれた彼」という物語が必要なんですね。
- ヨツモト先生
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男はそこを理解できずに、「必要なことは伝えているから、想いは伝わっているはず」と思ってしまうんだよ。でも男性だって、愛情表現はしているつもりなんだけどね。
- ニシイ助手
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たしかに! 私も学生の頃は、彼氏に対して「誕生日にサプライズのひとつもしてくれないなんて、気が利かない!」と怒ってましたからね。
今思えば、悪いことしたかも(笑)。男女では感じ方が違うってことを、女性も少しわかっておくべきかもしれませんね(苦笑)。
- ヨツモト先生
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ただ、ここで間違えてはいけないのが、「ひと手間かけること」が目的なのではなく、大切なのは相手を喜ばせたいと思う気持ちだよね。
相手のことを気遣えば自然とひと手間かかるものだし、女性はそういうのを敏感に察知するからね。
- ニシイ助手
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女性は小さいころから相手に気を遣う/遣われる訓練を積んできていますからね。
例えば女性が集まると「○○ちゃん、今日のピアスかわいい~!」とか、「そのネイル、どこでやってもらったの?」とか、よくお互いを褒めあいますよね。あれ、どうしてかわかりますか?
自分のこだわりやお気に入りなど、男性が気付いてくれないディテールに、女性同士だと気付いてもらえるから嬉しいんですよ。だから女子会は楽しいんです。
- ヨツモト先生
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ふむ。男性は、女性が褒めてほしいと思っているポイントに気付いてあげられたら、それだけで恋愛に発展する可能性が高くなるかもしれないね。
でもなあ、男って彼女の髪形が変わっても気付かなかったりするからなあ。なかなかハードルは高いよ……。
- ニシイ助手
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だいじょうぶ、女性と同じこまやかを男性に期待してませんから!それよりも、多少的外れでも“一生懸命私のことを見ようとしてくれている”ことに、女性はキュンとくるものですよ!
- ヨツモト先生
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最後に、女性会員からのこんな声を紹介しておこうか。
「こちらからの理想の条件に当てはまっていなくても、その理由や事情を説明してくれる人は安心できます」「“合わせるように努力します”など、前向きな姿勢を見せてくれれば好印象です」という意見があったよ。
- ニシイ助手
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結局のところ、“あなたは特別なんだ”という心からの気持ちと積極的な姿勢が、女性の心を動かすんですね。
- ヨツモト先生
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ユーアーライト! 次回は、ここまで出てきたメールの心得を、僕がまとめて講義していくよ。
メールはプレゼンだと思おう!
- ヨツモト先生
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恋愛の駆け引きもビジネスの駆け引きも、突き詰めれば同じこと。
細かいメールテクニックを考える前に、男性諸君にはまずは次のことを肝に銘じていただきたい。
言わば、自己紹介プロフィールは「パンフレット」。女性へのメールは「プレゼンテーション(以下プレゼン)」。
まずはビジネスシーンで考えてみよう。商品紹介にしろ企業紹介にしろ、パンフレットとは不特定多数に向けた最大公約数的なアピールのメッセージだが、それに対してプレゼンとはこれぞと思う特定相手の固有なニーズにピンポイントに刺さることを目的とした高密度なメッセージであり、さらに贅沢を言えば、明るい笑いを誘うようなユーモアのセンスも欲しい。だからこそ、女性へのメールは相手の気持ちに寄り添うように、相手が知りたいことや確認したいことを真剣に、そして時にはユーモアを交えて伝えることが重要なんだ。
ただし、ユーモアはかなり高等テクニックでもある。
笑いを取りたいが故に、下品や自虐的なネタを振るのは最低だ。そんなことをすれば、女性のドン引きはほぼ決定的。
自分のユーモアセンスに自信がなければ、笑いを取るのは潔く諦めた方が賢明だろう。以前、裁判にほとんど負けたことのない全米ナンバーワン弁護士の「議論に絶対負けない法」という本を読んだことがあるが、その中には「受けないジョークは言わない。下ネタは特に要注意。その場にいる全員を敵にしてしまう」との印象的な一節があった。うーん、自省させられるなぁ(笑)。
なので、ユーモアが感じられるに越したことはないものの、メールを書くにあたってまずは、丁寧で礼儀正しい態度が文面ににじみ出ることを重要視しよう。
その意味でも、「はじめまして」という挨拶や「○○さん」という呼びかけはすごく大切だ。
これがあるのと無いのとでは、メールの第一印象が全く違うものになってしまう。今どきの若者は挨拶が苦手だと言われているようだが、そこは一つ頑張ってメールの始まりには挨拶や呼びかけをちゃんとして、好印象をゲットする確率を少しでも高くしてほしいな。
男女の結婚に対する考えの方の違いから学ぼう
- ヨツモト先生
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また、総じて男性は「恋愛が上手くいったら、最後に結婚」という順番で考えている。
これは別に間違っているわけではなく、「クルマを買う前に試乗」「服を買う前に試着」と同様に、結婚する前にまずは恋愛を通じて互いの相性を確認するのは極めて合理的な発想だ。でも、クルマや服と違って、人間には心がある。
お試しに恋愛されて、最後に「でも、やめた」では、捨てられた方がひどく傷つくのは当たり前だ。しかも女性の場合、非情にも出産適齢期の上限がある程度決まっているので、悠然と何度も恋愛を繰り返せる余裕はない。
つまり有体に言うと、総じて齢を重ねるほど収入が上がり精神的にも円熟していく男性と違って、婚活女性はタイムリミットを意識して焦っているのだ。だから、婚活男性は「まずは恋愛してから結婚」だが、婚活女性は「結婚を想定できる男性とだけ恋愛をしたい」という恋愛観の根本的な差異が生まれる。
そして以前も書いたことだが、女性が結婚相手に求めることは、「経済的価値観」「恋愛・結婚観」「将来ビジョン」の3条件の合致、すなわち“3合”だ。
この3合を満たしている、もしくは少なくとも決定的に食い違っていない男性でなければとても恋愛する気にならない、というのが婚活女性の本音なのだ。そして、「メールをくれた男性は果たしてそのような相手なのか」を冷酷に見定めようとしている。
男性の私には身も蓋もない気もするが、そこから目を背けては恋愛を上手にスタートできるわけがない。もちろん、「私の条件はこれとこれ。あなたは合っている?」などと高飛車に明言する婚活女性はまずいない。メールの何気ないやり取りを通じて、男性の本心を探ろうとしているのだ。
だから、男性が自分のことを勝手に書き綴っている「一方通行」メールや、女性に対する問いかけがやたら多い「質問攻め」メールは、婚活女性にとってちっとも役に立たないと映ってしまうのは当然のこと。そして、多少の時間や手間がかかっても、メールのやり取りを大切にしたいという婚活女性の気持ちを理解してあげよう。
女性は「私のために(好きな男性がしてくれる)」という実感に飢えているようだが、女性の本音を察して億劫がらずにメールのやり取りを続けることこそ、「私のために…」と好感度をアップさせる、実は近道なのではなかろうか。嬉しい結果を出すには、「急がば回れ」のメールアプローチが大切だと思われる。