大泉りかがタイで体験した「うっかり手マン事件」
丸山:さて、では次は大泉さんですが、打ち合わせで言っていた「タイマッサージに入ったら、実は性風俗店で、うっかり手マン」ってどういうことなんですか?(笑)
南:これまたゲスですね(笑)。
大泉:(写真を指して)気を付けてください、この店ですから。
この時はタイの正月「ソンクラン」という祭りの期間だったんです。
歩いていると、水や泥をぶっ掛けられるっていう、ウザいこと極まりない祭りなんですが(笑)。
で、水を掛けられまくりながら、夜中まで遊んで、疲れたから締めにマッサージ屋に行って帰ろうっていう話になったんです。
けれど、正月の時期で、バンコクで働くタイの人たちも故郷に帰っちゃってたらしく、どこも閉まっていて。
たまたま開いていた店があっても高くて、もっと安い店がいいと思って、ちょっと裏路地に入ったら、この店があったわけなんです。
南:でも、マッサージって書いてありますよね?
大泉:斜め前にある店はバーで、若い男のコが店の前に座り込んでいて『何かギラついてるなー』とは思ったんですけど、写真でもわかるようにお店の雰囲気はごく普通の佇まい。
それで何も考えずに店に入って、私たちは女3人だったんですが、「足ツボお願いします」って言ったら、「今は足ツボできない、ボディしか無理だ」って言われて。
丸山:その時点で帰りましょうよ(笑)。
大泉:普通に「今は足ツボ出来る人がいないのかな」とか思っちゃって。
で、「これ以上歩きまわるのも嫌だし、しょうがないね」って妥協して入ったら、それぞれ個室に案内されたんです。
オイルならまだしも、普通のマッサージで個室ってあんまりないんで、「ん?」って思ったんだけど。
まぁ、そういう店なんだろうって。
丸山:いやいや、そこで納得しちゃダメでしょ(笑)。
大泉:で、置いてあった着替え用のシャツとタイパンツに履き替えようとしたら、シャツのボタンが取れまくってて、2個ぐらいしかつかなかったんですよ。ほぼ胸がはだけている状態で……。
丸山:ほぼ裸(ら)ですよ、それ。
大泉:で、隣の個室との間に壁はあるものの、上が少し空いてたんで、そこに向かって「なんか、ボタンなくない?」って叫んだら、一人は「ないない!」って。
でももう一人のコが「全部あるよ!」って言ったんです。
だから、「じゃあ、ちょっと雑な店なんだね」ということで話がまとまって(笑)。
丸山:まとまっちゃうんだ、そこで。すごいね(笑)。
大泉:私も含め、みんな女としてちょっと雑なんで……。で、いざマッサージ始まったら、すごい下手くそで。「あー、失敗した」と思っていたら、なんか内モモからスッと股間を撫でられたんです。
南:男性のマッサージ師ですよね?
大泉:全員、男性でしたね。で、そのうち股間を押し付けてきたんですよ。やっぱりホットホットとか言って(笑)。
南:どれがホット?アイムホットってこと?
大泉:俺のチンコがホット(笑)。
隣からも、「やめてよ!」とか「そういうのじゃないから」って聞こえてきて。
『あ、みんなやられている!』って思ったんですが。
でも、お金払ったわけだから、普通にマッサージはまっとうしてもらいたいわけですよ。
なのに、「ノープロブレム」って、コンドームを出してきて。
いやいやいや、こっちは問題あるから!って。
南:でも、コンドーム出すってことはそこまでやろうねっていう話ですよね?
大泉:そうだと思います。
帰ってからネットでこの店を調べたら、姉妹店にボンテージの恰好している男性の写真が出てきて。
丸山:じゃあ、やっぱりもともとそういうお店だったんじゃないですか?(笑)
大泉:だと思います。間違って入っちゃったみたい。
丸山:お店の人は悪くないじゃないですか(笑)!
大泉:違う違う、だって一応断っているし、騙された感がある(笑)。
だから、みなさん、タイでこの看板のマッサージ屋を見つけたら、気を付けた方がいいですよ。
まぁ、タイ人の男性と手っ取り早くセックスがしたいっていうんだったら、飛び込んでみてもいいかもしれませんが(笑)。
南さんのおっしゃる通り、『男性のマッサージには気をつけろ』っていうのは事実なんですっ!
【つづく】
Text/大泉りか
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無事に帰ってこられたことのほうが奇跡だ! との声が圧倒的。突然事務所が解散になった女優の著者が選んだ道は……世界一周の旅! その理由は?「別にぃ? 行きたかったから」。
28歳のひとり女が世界でしてきたこと、されたこと、見てきたことのすべてが凝縮されたエッセイ。
あまりの面白さに『だめんず・うぉ~か~』の倉田真由美が画を添えることになってしまった、日々の悩みがドンだけ小さなものだったかを思い知らされ、新たな職業、エッセイストとして著者の一歩が踏み出された。
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