「自分のランクを上げたい」が目的だと不幸になる

アル: 恋愛でいうと、美人が不細工な男性を好むケースは割と多いんです。自分の容姿に自信があるから、男に埋めてもらわなくていいんでしょうね。
逆に容姿に自信がなくてイケメン好きの女子は「イケメンに選ばれた自分には価値がある」と思って、ランクアップした気がするみたいです。

S:「自分のランクを上げたい」が目的だと、就職でも恋愛でも不幸になるよね。
「足りない部分を埋めようとしてないか?」って自覚が必要だと思う。

アル: ただ、気持ちはわかるんですよ。
二十代前半の私は「仕事ができない」ってコンプレックスが強くて、仕事のできる年上男にハマったんです。それが自分史上もっとも不幸な恋愛でした。

S: 仕事できないことはなかったでしょ。

アル: いや、できなかったです。そもそも広告の仕事が向いてなかった。

S: そうか…ごめんな(しょんぼり)。

アル: 謝らないでくださいよ(笑)。
それに向いてない仕事をしたお陰で、自分のやりたいことがわかって物書きになれたんで。

S: それならよかったけど…。

アル: 真面目なオッサンだなあ(笑)。
話を戻すと、女友達でも自分の仕事が好きで誇りをもってる子は、夫の肩書きにこだわりませんね。彼女らは居心地のいいパートナーを選んで幸せになってます。

根拠のない自信って?

アル: 会社も男も自分軸で選ぶべきだし、それには自己肯定が必要なんですね。
で、心理学的にいうと「根拠のない自信」が強いんですよね?

S: 特に根拠はないけど「自分は大丈夫、きっとうまくいく、明日はもっとよくなる」と思える人、そういう人が一番強い。

アル:ヒマワリの向日性みたいなものですか。自然と光のあたる方向を向くっていう。

S: そうそう。「俺は東大だから」みたいな根拠のある自信だと、ハーバードやスタンフォードが現われるとシュンとなるから。

アル: 他人と比べた自信はもろいですよね、上には上がいるから。
じゃあ、根拠のない自信ってどうすれば持てるんですか?

S:やっぱり、子ども時代に承認された経験があるのは大きい。大部分は子ども時代に作られるから。

アル: やっぱそういう話になるのか。

S: ただ、それがなかった人でも後天的に身につけられるけど。

アル: 「幼少期に作られる」だと私みたいな人間は絶望しちゃうので「どうすれば後天的に作れるのか」って話をしたいです。

S: 単純だけど、自分を認めてくれる人と付き合うことだよね。恋愛に限らずだけど。

アル: まず恋愛以外で承認を得る方がいいと思う。
自己肯定してない女子は「こんな私を好きになる男なんてレベルが低い」と見下して、自分を愛さない男を好きになりがちなので。 

S: それだと永遠に幸せになれないよなあ。

アル:自分がパン屋だとしたら「こんな不味いパンを買いにくる客などいらぬ!」って、大事な顧客を逃しちゃうわけだから。

S: アルはどうなの?

アル: 私は「こんな変わったパンを好きなんて、おまえマニアックだな」と思いつつ、マニアックな顧客を大事にします。

S: それは自己肯定できているからだよね。

アル: 私は親には愛されなかったけど、後天的に身につけた部分が大きいです。 まず女子校は関係が密なので、女友達から承認を得られた。 あと社会人になってからは、営業としてポンコツだったけど、後輩からよく悩み相談されたんです。  「アルさんがいたから続けられた」とか言ってくれる子もいて、それで徐々に自信がつきました。

S: 今では悩み相談コラムが仕事になってるんだもんなあ。

アル: まあ、バイブの記事とかも書いてますけど(笑)。