人からの評価がほしいけど、評価されても素直に喜べない

J:自分に自信がないと仮定すると、何に一番自信がないかというのは心当たりありますか? まあ、自分に自信満々な人間なんてなかなかいないとは思いますが。

真:自己評価ができない。
そういう意味では点数がつけられるものでは納得するけど、そうでないものにも誰かの評価が必要だと思ってしまう。ずっと気になっていますね、評価は。

J:子供の頃から?

真:…どうなんだろう。でも人の目なんて関係ないって思ったことは一度もないですね。

J:人の目が気になるのは普通だと思いますよ。
まあね、人の目なんて気にしないという人たちは、協調性が乏しかったりしてアレはアレで迷惑な存在なのでね、ちょっとは周りを気にしろ!って思いますよね。

真:(笑)。

J:コンプレックスって何かありますか?言えることがあれば。

真:そうですね。体型とかもそうだし、顔も嫌いだし…もう全部嫌い。

J:あんた何言ってんだ!(笑)。そうか、そんなに嫌い?

真:だから、努力しようと思っています。

ものすごい短い因果応報を繰り返している

J:自分の好きなところってありますか?

真:私はネガティブでい続けることがすごく大事だと思っているんです。
「まだまだできない」、「こんなの全然ダメだ」、「人から褒められても調子に乗っちゃダメだ」とか、常に思っています。「絶対何か罠があるはずだ」と思って生きているので。

J:えーー!なんで!?

真:調子に乗っちゃいけないって、一日に何度も思いますね。
何かが上手く進んでも「絶対こんなに上手くいくわけない、喜んで調子にのったら、同じだけのダメージがあるはずだ」って思って、生きてる。

J:最初からそんなにかまえなくても、本当にダメージ受けたときにギャー!って言えばいいんじゃないですか?

真:ギャーともいうんけど、「やっぱりそうだったんだ」って思う。この前、喜んじゃったからだって。

J:すごいショートスパンの因果応報みたいななにかを繰り返しているんですね。というか、成功することが罰を呼ぶっていう意識が強いんだな。

真:でもそのおかげで、凹みすぎて立ち直れないってこともないですね。原因を見つけて、ある意味納得するところもあります。

J:これは私の勝手な考えなんですが。
人に過剰に期待するのはよくないと思うんですよ、自己都合が多いから。
でも、それと同じくらい、自分を見限ったり、見下したりすることはよくない。
ある意味失礼だし、自分を見限っている人に、ちゃんとコミットしようという人はなかなか出てこないと思うんです。
真由美さんは「ほら、またダメだった」っていうのをずっと待ってるわけじゃないですか。それは80年ある人生が勿体ないと思うんですよね。
いろんなことを成し遂げてきても、「必ずうまくいかないに違いない」って思っていると、その気持ちに引っ張られちゃうと思うんだよね。それで実際に失敗すると自己評価がどんどん低くなるでしょ。
自己評価が低いから、人からの評価がほしいという希望は真由美さんのなかに強くあるわけじゃないですか。
でも、人から評価されても「いつかこれが失敗を呼ぶ」と基本的に信用できないでいると…

真:はい…ヤバそうですね。

J:それで、人間関係やコミュニケーションが苦手で穴蔵にいる人のところへ寄っていって、その人がギュッと手をつかんでくれると、自分は必要とされていると認識してしまうようになる。
必要とされるために、穴蔵の人に自分の時間を費やす。
でも本当に求めている物はそういうことではないし、束縛や相手の期待に応え続けるのも大変だから、気がついたときには時間の無駄と思ってしまう。
最初恋愛の話でしたけど、全部たどっていくと、自己評価が低いことがすべて招いているような気がするんですけど、そのあたりいかがですか?

真:……。自分についてそんなに考えたことなかった。怖い、というか。

J:何が怖いですか?

真:自分について考えるときに、よく人からどう見られているかとかから考えたりするじゃないですか? 自分がどう思われているんだろう、って考えるのが怖いんですよね。

J:なんでそんなに怖いんだろう。

真:人から嫌われることが怖くなったのは…。
昔から学級委員とかやるのが好きで、そうするとクラスメイトからすごい嫌われたりしたからだと思う。
クラスのみんなとうまくいかなくなったから、先生にすごい好かれようとしたりして…。
それから周りからどう思われているんだろうと考えることがすごく怖くなりましたね。
でも転校してからは、反動で真逆になって、中高と、おちゃらけキャラで毎日先生に怒られてました。

J:それもすごい話だけどね。