なぜ女性は元カレの悪口を言いがちなのか?本来は失礼な話なのに

先日、ほぼ同年代の女性を集めた座談会に参加する機会がありました。テーマは恋愛で、過去の経験談や、これまでに得た知見や諦観などを語り合ったのですが、ひとつ気が付いたのは、なぜ女は元カレとのエピソードを笑い話として語るのかということです。

女性が元カレとの思い出を笑い話にするのは…

今回の場合は座談会ゆえ、参加者たちのサービス精神が炸裂したというのもあるけれども、そうじゃないただの飲み会でのトークであっても過去の恋愛話は大概、笑い話として語られる。過去に付き合っていた男性の酷さやヤバさを拾い上げて、笑いのネタして面白おかしく皆に披露するなんて、本来は失礼な話であるにも関わらず、女同士の間で語る際には笑い話に調理される。それはなぜなのか。

ひとつには、そんな相手を好きだった自分を恥じ、照れる気持ちがあるからではないか。どれだけろくでもない相手でも……というかろくでもなければろくでもないほど、そんな男性を選んだ自分が滑稽になる。滑稽な自分を語るには笑い話にせざるを得ないし「なんでそんな男と付き合っていたんだろね、わたし」と自虐的に笑い飛ばさないと「なんでそんな男と付き合っていたの?」と誰かがつっこまないといけなくなってしまう。そう問われれば「メンがヘラっていたから」とか「共依存だったのかもしれない」など自らの深淵を覗き込むようなシリアスな展開になってしまうか、もしくは「でも、好きだったんだよね……」と今さら言いたくない真実を言葉にしなくてはならないので、その手前で止めるために笑い話にするのではないか。

もうひとつあるのが、世の男性への愚痴や嘆きというものは、女同士の会話の中で盛り上がる話題のひとつだけど、さすがにこのご時世、「男って」というデカすぎる主語で、男性という性別の人間すべてへの糾弾するのはあまりよろしくないというくらいの良識は持ち合わせている。そうした時に過去の男性の行動やその人となりを、笑い話として語り、個人に背負わせる形で非難するのは都合がいい。