ボクシングに熱中していたN氏

ミカコちゃんが会社勤めをしていた頃、同じ職場にN氏という男性が勤務していました。N氏は日本人離れした彫りの深い顔立ちと180センチ超えのイケメンでした。顔も身体もギリシャ彫刻のように整っていましたが、N氏からは色気が全く感じられませんでした。そしてN氏は、ストイックなまでにボクシングに熱中していました。

食事もアフター5も全てはボクシング中心の日常です。これは推察ですが、N氏にとっては女性とのデートやお付き合い、ましてやワンナイトラブだのセフレだのどーでもいい事柄だったのでしょう。そんなことに注力するよりもボクシングに集中したい……そのストイックさがN氏の「色気」を封印させたのかもしれません。

スレンダーな美少女でも…

女性の知り合いにも同じようなタイプがいましたっけ。ミカコちゃんがジャズダンスを習っていた頃、同じスクールにWちゃんという女の子が通っていました。Wちゃんは鈴木蘭々を彷彿とさせるような美少女で、スタイルもフィギュアスケート選手のようにスレンダーでした。しかしWちゃんからは色気が全く感じられませんでした。そしてWちゃんは某テーマパークのダンサー志望で、ストイックなまでにダンスへ全・情熱を注いでいました。

ダンススクールに週7で通い、多い時には1日3レッスン(計4時間半)に顔を出すほどの日常です。これも推察ですが、Wちゃんにとっては男性とのデートやお付き合い、それどころか女友達との女子会やショッピング、旅行などどーでもいい事柄だったのでしょう。そんなことに注力するよりもダンスレッスンを重ねて夢の国のダンサーになりたい……そのストイックさがWちゃんの「色気」を封印させたのかもしれません。

これは決して、何か1つの事柄に対しストイックになるのが悪いってことではなく! きっと、情熱が強すぎることで、色気が情熱の炎の影になっているんでしょうね。美形ではない人間からすると、「もったいない」と思っちゃいますが、美形な人はオギャーと産まれた瞬間から初期設定が美形なので、「せっかく美形なのに……」って思考がそもそも無いのかもしれません。

Text/菊池美佳子