“お父さん萌え”は“女”ではなく
“娘”に戻りたい心理…?
タツオさんに投票した方の、主な支持理由は以下のようなものです。
【主な投票理由】
・温和で知性的、娘を対等に扱ってくれる理想的な大人の男性です。
・子供の扱い方や、雰囲気、いかにも文系なゆるい見た目、すべてが大好き。
・知的で包容力があって、なおかつ子供の心を忘れていない。萌えます。
・あの素敵なパパっぷりに心を撃ち抜かれない女子はいるんでしょうか。
考古学者という知的な職業に、ボサ髪&黒ぶちメガネのビジュアルが、文系女子の心をくすぐるのはわかります。
また、「お化け屋敷に住むのが夢だったんだ」という少年のような心と、病弱な妻を気遣う献身的な夫としての姿も、支持率の高さにつながっているでしょう。
しかし、タツオさんのポイントはなんといってもやはり、娘たちに対するあたたかな包容力。
そこに、“父親”としてだけでなく“男性”としての魅力も感じさせるようです。
たしかに、タツオさんの“娘ころがし”のワザは熟練の域です。
「2階の階段はどこにあるでしょうか?」と、子供の冒険心を刺激することで自然と引っ越しの手伝いに参加させるテクニック。
「笑ってごらん、おっかないのが逃げちゃうから」と、自らゴリラのマネをして子供を安心させる器の大きさ。
そして、メイがトトロの住みかを見つけられずに「ウソじゃないもん!」といじけたときは、メイの言い分を全面的に信用して、「いつも会えるとは限らない」と見事なフォローまでしてあげています。
常に子供と対等な目線に立って理解を示しつつも、子供が気付かないように大人の配慮をそっとしのばせる。
これって、自分の自尊心を押し付け、相手の心を支配しようとする恋愛モードの男に、もっとも足りない部分ではないでしょうか。
男の自意識につき合わされ、勝手な“女らしさ”を強いられている女性にとって、“女”以前の“娘”に戻れる父性的な男性というのは、とても心地いい存在なのだと思います。
余談ですが、このタツオさんの“お父さん萌え”する感じ、誰かに似ているなあ…と思ったら、マンガ『よつばと!』の“とーちゃん”にそっくりじゃありませんか?
あのマンガの人気は、主人公・よつばの天真爛漫なかわいらしさだけでなく、「私もよつばちゃんみたいに扱われたい!」という、ファザコン女子の“子宮のうずき”に支えられている気がしてきました。