愛がさめるなんて思っていないフランス人
これって、フランス人は誰もが知っている常識だと思ってました。
でもね「恋や情熱がさめる」ってことを知らないフランス人が案外多いようなのです。
あれだけところかまわずチュッチュしてる熱々状態だと、盛り上がりはそうとうなものだと思います。
そしてそのまま一緒に住んだり、子供ができたり、結婚したりしなかったり、一緒に生活をスタートさせるわけですがその後、
「愛がさめるなんて、思ってもみなかった」
という理由で、離婚したり別れたりするカップルの話を聞いたことが何度もあるのです。
そもそも日本だと「恋して盛り上がって結婚する」
なんてスタイル、かなり珍しいほうではないでしょうか?
なんつったって、結婚相手を慎重すぎるほど選ぶ日本人女性が多い現代で、相手が貧乏だろうと、親や友人にどう思われようと、どんな仕事をしていようと「好きだから結婚する!」なんて勢いはそうないでしょう。
どちらかというと、恋におちてもある程度落ち着いてお互いが空気のような存在になり、セックスレスになった状態で、引っ越しのタイミングやら仕事の事情の理由で結婚する方が多いと感じます。
だから「熱がさめたから」という理由で離婚した日本人の話は聞いたことはまずありません。
フランス人は「情」なんていう目に見えないもので引き止められないのです。
もちろん子供がいるからという理由もありません。
情 < 新しい熱
という、恐ろしいほど動物的で直感的なもので、それまでのパートナーの元を去ってしまうのです。
フランス人にとって、日本には少なくないカップルのように「なんとなく情があるから一緒にいる」というのは「死」以外のなんでもないのでしょう。
そういう意味では恐ろしい程、自分に素直で純粋です。
何が幸せかは、ひとりずつ違うものですが、「死」より「熱」という『生』を追い求め続けるフランス人が羨ましくもあり、怖くもあるのです。
Text/中村綾花
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