それでも降りなかった理由
――ファイナリストが参加するイベントの自撮り集合写真に濱松さん1人写っていなくて、twitterでファンの方が参加しなかったのかを聞くと「生産性のない友達ごっこは嫌い」とリプライをしていましたが、そう言い切れるのはすごいですよね。この時はどういう心境だったんですか?
- 濱松
-
今、改めて振り返ると未熟な発言でしたね…。特にファイナリスト同士仲良いわけでもないのに、SNS上では楽しそうな写真をあげなきゃいけない。その割り切りが私にはできなくて、つい書いてしまいました。あとそもそもそのイベント自体、ファンに還元されないしやる意味あるのかなって疑問だったこともあって、私は参加しませんでした。でも、反省してます……。
――今までに、はっきりした物言いをしたことで周りからバッシングや嫉妬されたり、また、誤解された経験はありますか?
- 濱松
-
何でも独断で進めてしまうミスコン運営のやり方に対して、運営がすることは私たちファイナリストも同じように見られるからもう少し考えてほしいと言っても「ミスコンはお前だけのものじゃないから」って言われたり、他の人からも「運営さんに失礼だと思います」って…。それで私がわがままだから物事が進まない、とか、票数も私がぶっちぎりで天狗になっている、って言われました。
でも、結局、クラウドファンディングも炎上したし……。今回のミスコンは自分で頑張ってやったことが反映されないこともあるんだなっていう、社会の圧力を感じました。
――そして、文春でセクハラ告発の記事…。すごく大変だったと思うのですが、あの後さらに周囲が反応してしまったのではないかと心配でした。
- 濱松
-
他の候補者を応援してる人からは「お前がこうやって騒ぐから、ミスコンの印象が下がる」みたいなことを言われたけど、もともと応援してくれてる人たちからは全然そういうことは言われなくて。ただ、その時期もまだミスコンは続いていたので運営側の人たちは怖かったです。
――それなのに、濱松さんはミスコンから降りるような行動は取らなかったですよね。1人で戦い続けられた理由はなんだったんでしょうか?
- 濱松
-
このまま辞めると今までの頑張りが無駄になると思ったからです。あと応援してくれてる人をがっかりさせるだけだなって。降りることのメリットが、自分の気持ちが楽になることしかなくて、それならもう少し頑張ってみようと思いました。
――「濱松さんが辞めればいいのに」って言われたりしませんでした…?
- 濱松
-
言われましたね。とくに運営には、私がいなければ大きな票差がでないし普通のコンテストができたのにと考えていて、曲者扱いされてました。でも私が降りればみんな喜ぶっていうのが悔しくて。だからどんな形でもどれだけ何を言われても、最後まで持っていけばこっちのもんだと思ってずっと我慢してました。
――アンチの書き込みやリプライに対しての切り返しが毎回秀逸なのですが、ちゃんと返事するのはなぜですか?
- 濱松
-
負けず嫌いな性格が出ちゃうんですよ。「ミスコンが潰れたのは、私がわがまま言いまくったから」ってアンチに言われたりするんですけど、実際はセクハラ記事がでたことで協賛が全部降りたからなんです。それなのに、運営の発表した中止理由がファイナリスト同士のいざこざってことになってて…これじゃみんな誤解するじゃないですか。そういうのが苦しくて、理不尽で誤解だらけのリプがきたら“ちょん”って返しちゃいますね。否定したいことだけ否定するって感じなんですけど、相手にするっていうより、誤解を解きたい。アンチを潰すというよりは、アンチ以外のみんなに真実を見て欲しい。
――ミスコン中はかなり理不尽な目にあっていたんだなと感じましたが、どうやってメンタルを保っていたんですか?
- 濱松
-
家族が話を聞いてくれたり、文春の方にもメンタルケアみたいな感じでずっと一緒に付いていただけたりしました。あとは「無理しなくていい」「全く悪いことしてないから自信を持って続ければいい」とか、そういった周りの意見がすごい支えになりました。
――逆にこのミスコンに出場して「よかった」「学べた」と思ったことはあったりしますか?
- 濱松
-
私がどれだけ頑張って発信しても、どんなに正しいことを言っても、それをよく思わない人が一定数いるってことです。自分が「世間的におかしいからこうしたほうがいい」って言っても、大学1年生の立場だと変えられないこともあるってことも……。でも悪かったことだけじゃないですよ、もちろん。どんな立場になっても優しくしてくれる人がいるってことに気づけたのはすごくよかった。もともとの運営だった学生団体の人も、セクハラのときにすごく心配してくれて今も仲良いので、人の温かさを感じました。