ギャップを埋める苦労はあってもうまくやっていける

さて、話を本題に戻しますが、彼はどういったタイプの人でしょうか?
もしも先に書いたような前者のタイプであれば、共に生きていくことを考えるとちょっとしんどいかもしれません。
「これが世の常識だ」と思い込んでいたり、親のものを自分のものだと錯覚している人の価値観を変えるのは、荷が重すぎますからね。
また、彼のご両親が家柄や経済的なつり合いを重要視する人たちなのか、それともあなたが優しいご両親のもとで愛されて育てられたのが一番と経済的な部分は気にしない人たちなのか、そのあたりは何度か会って確認しておいたほうがいいと思います。
「あなたでは相応しくない」とかなんとか言ってくるようなご両親であれば結婚するのはおすすめできませんし、少なくともそういった事態になったときに彼は間に入って仲介役となる必要があります。
でないと、苦しいのはあなたばかりになってしまいますからね。
彼はあなたを守ってくれそうか、その素質があるかどうかは結婚前に知っておくべき重要なポイントではないでしょうか。

彼のご両親が常識的かつやさしい人で、彼と金銭的なギャップはあるものの彼の言動であなたが卑屈になっているわけでなければ、ギャップを埋める苦労はあっても上手くやっていけるとわたしは感じました。
たとえ生活が豪華絢爛なものでも、心穏やかに過ごせないわけではありませんよ。
豪華絢爛な生活と、精神的な穏やかな生活は両立できるものなんです

“最初から”一致しないのは当然

あなたと彼が結婚するという前提で、考え方や心の持ち方をいくつか提案させてください。
まず、彼の実家のほうが自分の実家よりもお金持ちだから上という考え方をやめましょう。
「別の世界の人だ」という言葉通りに捉えていいのではないでしょうか。
他にも「違う文化で育った人」という表現もいいかもしれません。

彼の実家が会社を経営しているそうですが、外での振る舞いや仕事の繋がりがある人とのお付き合いの仕方は、経験がないからわからないですよね。
そういう場面に直面したときは、彼やそのご両親に「わからないから教えてください」と素直に聞いていいと思うんです。
インドに行って「インドカレーの正しい食べ方を教えてください」と言っているのと同じで、インドで本場のカレーの食べ方を知らなくても、文化の違いだからと卑屈になったりしないでしょう。
知らないことは、知っている人に教えてもらえばいいのです。
何事も素直な姿勢でやれたら大丈夫ですし、相手だって変に見栄を張られたり知ったかぶりされるよりずっと好印象を抱くのではないでしょうか。

あなたは、自分の育った環境を恥じているわけではないと言っていますよね。
ということは、それだけたくさんのいい思い出があるのでしょう。
それだって彼に教えてあげればいいじゃないですか。
インド式の彼に、日本式のカレーのおいしさを教えてあげる異文化交流をしてみるのも楽しいかもしれませんね。
どちらの文化が優れている/劣っているなんてことはありません。
あなたが劣等感を感じなくちゃいけない部分はひとつもないとわたしは思いますよ。

不安要素のひとつとして「お互いの普通が一致しない」と挙げられていますが、それは何事においても言えること。
経済状況や育ちは擦り合わせるのが困難そうで尻込みしてしまうテーマですが、“最初から”一致しないのは当然です。
最初は一致しなくても、お互いの文化を知り、「そうなんだ」と受け止め、そこから擦り合わせていけばあなたたち二人の共通の価値観をつくることはできるはず。

経済的なギャップという目に見えるものの違いにあれこれ悩むよりも、彼はそのギャップを埋められる相手か、そしてあなたが頑張りたいと思える相手かというのを、まず先に考えてみてはいかがでしょうか。

Text/ものすごい愛
Banner design/saori・tanaka

※現在、多数のご相談をいただいております。
ものすごい愛さんに順次回答いただく予定ですが、隔週掲載となるためお待たせしまうこと、すべてのご相談に回答できない可能性もございます。
誠に恐れ入りますが、何卒ご容赦くださいませ。(AM編集部)

ものすごい愛さんの新刊『 今日もふたり、スキップで~結婚って “なんかいい” 』は、大和書房より好評発売中です。