孤独に飲み込まれたとき、何ができるだろうか

私は人とまともに関係を築けたことがない。「この人なら信頼できるな」という人もほとんどいない。初対面の人と仲良くしたり、人から興味を持ってもらうのは得意だけれど、その先どうすればちょうどよい距離感を保つことができるのかわからないのだ。これも、なんでなのかなあ。人間関係って全然思い通りにいかないし、難しいですよね。

寂しさを埋めたいから友達を作るのも、孤独を紛らわせたいから人に連絡をするのも、私のなかでは不自然であり、不可解な行動ではある。しかし、私が他人では決して埋まることのない寂しさや孤独を持ち合わせているのは、「この人なら信用できるかもしれない」と思うえる人に出会えず、ほとんど人ときちんと対話をする機会もなく、うまい人との付き合い方を今まで学べなかったからなのではないか。そのしわ寄せが、寂しさや孤独となって押し寄せるのではないか、とも思う。

40代や50代、本当に寂しくなってどうしようもなくなったら私はどうすればいいんだろう。でも、今までの人生でも、「20代は」「30代は」と色々な人から無責任に脅されてきただけで、その通りにならなかったんですよね。「学生時代が一番楽しい」「仕事は大変だし、つまらない」とか。一般的な世界が私の世界であるとは限らないし、考え方も価値観も、自分次第でどうにでもなるというのはなんとなくわかってきている。

寂しくなってしまうんでしょうか、孤独に打ち勝つことなんてできないのでしょうか。結婚とか家族に縛られない、もっと自分で生き方を選んでもいい世の中になってきているのに、結局人は気持ちに負けてしまうのでしょうか。いつの日か、「結婚しておけばよかった」「子どもを産んでおけばよかった」という大きな後悔が私を少しずつ押しつぶすときがくるのだろうか。自分の孤独に飲み込まれ、どうしようもできなくなったとき、私には何ができるのだろう。今はまだ、それがわからない。

Text/あたそ

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