みなさんは、夜きちんと寝られていますか? 許されるなら、毎日11時間は寝ていたいロングスリーパーのチェコ好きです。
睡眠時間を削ることは、健康面から考えても精神面から考えても効率面から考えてもまったくいいことがないので、できる限り控えたいものですよね。
ですが、今回したいのはオールナイト、徹夜の話。オールで遊ぶとなると、イベントやら飲み会やら、それなりの人数でわいわい騒ぐというイメージがつきまといますよね。でも、都内だったらおひとりさまがひとりでまったりオールできる、素敵な場所もあるのです。
映画館のオールナイト上映を狙え
私がたまに訪れるのが、池袋にある映画館・新文芸坐。
ここはほぼ毎週土曜日にオールナイト上映をやっていて、夜22時くらいから朝5時くらいまで、映画を延々と楽しむことができます。深夜に立て続けに3〜4本と映画を観ることになるので、途中うっかり寝てしまって記憶がないなんてこともザラにありますが、それもまたお楽しみ。
おそらく世の中の大半の人は、映画=エンターテインメント、だと思っていますよね。そして、それは決して間違いではありません。そのため、映画の上映中に眠ってしまったら、なんだか損した気分になってしまうと思います。
だけど、映画学の世界では、映画は夢(夜に眠りながら見る夢)のアナロジーであるともいわれています。真っ暗な場所でスクリーンに映し出される幻は、ちょうど夜に目を瞑って眠っているとき、頭のなかに浮かぶ幻の映像と似ているからです。だから、映画の分析にはしばしばフロイトの理論が使われたりもします。
まあ、めんどくさい細かい話は置いておいて、要は「途中で眠ってしまっても大丈夫!」ってことです。
実際、眠くなる映画として有名なロシアの巨匠アンドレイ・タルコフスキーの作品は、オールナイト上映で観ると私は99%起きていられません。それでも、上映が終わり明るくなる場内と、夜から朝へかけて明るくなる空が頭のなかで重なって、映画館を出たあとは自宅で眠るよりぐっすり寝られたような気分になるから不思議です。そして、映画の映像と自分が上映中に見た夢とがMIXされて、この世にたった1つの「存在しないはずの気持ち悪い映画」ができているという……。
また、映画館のオールナイト上映を狙ってくる人間の大半はいわゆる「映画マニア」。学生時代に年間何百という単位で映画を観ていた私にとっては非常に懐かしい人種なのですが、もしかするとみなさんの目には少々異様に映るかも……?
だけど、もちろん危害を加えられたりすることはないので、異文化に触れると思って安心してその場の空気を堪能して欲しいです。女性の一人客もとても多いので、ぜひホームページを参照しながら、お気に入りの特集上映を見つけてみてください。
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