
4月末に新刊が出ます。女性用風俗、通称女風を利用しているユーザーの女性や、女風のオーナーといった周辺の関係者たちに取材をしたルポルタージュでございまして、一般的には話しにくいとされているシモのことを皆々様が正直率直に語ってくださったお陰で、なかなかいい本に仕上がったと自負しています。しかし、取材していく中で強く思ったのは、SNS、具体的にはXとの温度差です。
性的なものへの嫌悪感
というのもXって、なんていうか性的なものへの嫌悪感へのツイートがよくよく流れてくるじゃないですか。わたしのアカウントに生じているエコーチェンバー現象だといわれればそれはそうかもしれないけれども、裏垢でも同じようなものなので、「世の中の人って、そんなにエロに忌避感あるのか」と思うことも度々ある。
まぁ、女性用・男性用に関わらず風俗という業種はいろんな問題を孕んでいるし、不倫が、される側のひとを傷つけるということはわかる。また、子どもの目に届くところにエロいものがあっていいのかとか、街中にいる女性を性的な視線でまなざすことはハラスメントであるか否かなどの、是か非かの議論になれば、断然に「正しい」とされるのは「よくない」という主張のほうであって、だから「そうはいっても、正しさだけじゃないよね」とは表だってはいいづらい。
裏アカ女子に聞いた「性の欲望」
かつて、とある女性に性の欲望をテーマにインタビューしたことがありました。その彼女は裏アカ女子というものに憧れてXに専用のアカウントを作り、日々自らのエロい画像をアップする傍ら、裏アカ男子としてネット上で有名なアカウントとDMでやりとりをして会ってセックスをするという活動をしているという。
さらには最初は自分から積極的に、裏アカ男子に仕掛けにいっていたけれど、だんだんとフォロワー数が増えるに従い、フォロワーの一見さま男性からの誘いのDMが届くようになり、気になった相手とはLINEの交換をして数回やりとりをした後、「この人ならいいかも」と思った相手と、実際に会う前に動画通話で最終面接をし、合格した相手とはオフパコすると。
ちなみに最終面接とは、スタイルとペニスのサイズをチェックするために動画通話でオナニーを見せてもらうらしい。そんなことをしているうちに当時の旦那さまにバレることとなり、離婚。けれども「後悔はまったくしてないですね」とケラケラと笑っていた。
その女性からは取材の終わった後に、「誰にも言えない話を聞いてくれてありがとう」というようなことを言っていただけたのですが、むしろわたしからすると「誰にも話さない話を聞かせてくれてありがとう」だし、さらにいうと、こういう性の欲望がある女性が存在するということを知れて希望を得た。彼女のしていることを世の中の人が「正しい」とするか「正しくない」とするかはわからないけれど、わたしは肯定したいというか、全力でいたします。
Text/大泉りか