ここにいないあなたを探して

ここまでやったはいいけれど、一人だし、このあとどうすればいいの? と思っている皆さん。私もです。一人じゃおしゃべりもできないしね。最もシンプルな打開策は、ここまでの行程を友人と同じ日、同じ時刻にやることです。準備が整ったらダチに電話をかけましょう。

「ねぇ今どこいる? え? 聞こえない〜〜電波悪い〜〜〜〜え? あたしポケモンかかってるとこ〜」

こうやって、電話越しに相手を探すのです。まぁいるわけないんですけど。でもさ、電話しながら「え?」とか言って、部屋の中を歩き回ると、なんかいそうじゃん。まぁいたら怖いんだけど。もしかしたらその電話口から、友達の家で流れている曲が漏れ聞こえてきて「え? その曲何? めちゃ良くないどこの部屋〜?」なんて会話も生まれるかもしれません。え、楽しそう。やりたい。

そんなことをできる友人はいませんというあなた。わかりますその気持ち。その場合は、テレビに外国人が外国語を喋っている映像を流しましょう。インタビュー映像とかがいいと思います。ポイントは、あなたが喋ることのできない言語を喋っている映像を選ぶこと。その人と喋るのです。喋れないですよね? それがいいんです。そもそも、テレビの中の人と画面越しに話すことは不可能なので、ここで喋れる言語だと悲しくなります。でも! 喋れない言語なら! なんか喋ってる空気だけを楽しむことができるのです。「ア〜ハン? ア〜ハン?」って揺れながら言うだけで、かなりクラブ感が出ます。

狂人の夏、日本の夏

いかがでしょうか。ひとりぼっちのパーティー、やってみたくなりました? 私は書いてて今すぐにでもやりたい。「こんなの変だよ‥」って引いている人も多いかと思いますが、あのね。変にでもなんないとマジで病むよ?

これを書いている今日の都内感染者数は5000人を超えました。家にいなきゃいけないのはわかってても、ずっとそれじゃ気が滅入っちゃう、でも出られない。その事実を真面目に受け止めるには、時間が経ちすぎているように思うの。

だからさ、家で良い子にするんじゃなくて、家で頭おかしくなってみてもいいんじゃないかと思います。今年も寂しい夏だけど、それぞれの家で、それぞれのアンセムをかけながらぶち上げて乗り切りましょう。

TEXT/長井短

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