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  • 2014.03.05

セックステクを磨いた野獣が手に入れた美女のあえぎ声/『鬼の棲む蔵』(前編)

欲望ムンムンなガチムチ男性が美人な女性を征服する…

大泉りか 官能小説
Tobyotter


 日本の古い映画を観るのが好きです。
つい先日は石坂浩二の金田一耕助シリーズをぶっ続けで観たのですが、昔の映画女優のなんと気品高く、清楚に可憐でいて、艶っぽく美しきことよ……と深い感激に浸りました。
が、さて、もうひとつ括目すべきは、権力欲と精欲に滾る男性陣です。

 東野英治郎演じる『獄門島』の鬼頭嘉右衛門、三國連太郎演ずる『犬神家の一族』犬神佐兵衛などなど、下処理していないホルモンをどろっどろに煮込んだように欲望ギッシュな男性陣を鑑みると、すぐにEDやら中折れやらと騒ぎ立てる軟弱ボディに「付き合うまでセックスはしないのがフツーでしょ?」というウブなお嬢ちゃんのようなメンタルを持つイマドキの殿方は、まるで春雨か卵の卵白のごとく無味に思えてきます……というわけで、今回ご紹介するのは霧原一輝著鬼の棲む蔵(悦文庫)。
そして今回はヒロインではなく、主人公の小野東吾にスポットを当ててみましょう。

東吾は自分が見栄えしない風体であることは痛いほどにわかっている。
背は低く、ずんぐりした体型で、顔もエラが張って将棋の駒のようだ。
こんな醜男が美人を同伴していることに、他人は驚き、どうしてこの男がと頭をひねる。
それが痛快で仕方がない。
(『鬼の棲む蔵』P22L8-11)

 創業100年を超える小野酒造の七代目蔵元・小野東吾。
六十三歳になっても、欲望はムンムンに滾ったままで、かつ、その性格は傲慢で上昇志向の強い野心家。
女性に対しても『惚れるということはその女の肉体を奪うことと直結している』(『鬼の棲む蔵』P25L7)という考えの持ち主です。
そんな東吾が女性を征服する方法とは――。

誰もが平伏する権力と、一度寝たら忘れられないセックス

大泉りか 官能小説
鬼の棲む蔵』/霧原一輝/悦文庫

「あうぅぅぅ、いやっ……許して」
 太腿をよじりたてて、麻弥は東吾を突き放しにかかる。
「どうした、腹をくくったんじゃないのか? 処女じゃあるまいし、つまらんところで貞淑ぶるのは、損だろう。杜氏になりたいんじゃないのか?
 畳みかけると、麻弥は悔しそうに唇を噛みしめている。
「悪いようにはしない。お前を女杜氏として売り出してやる」
 駄目を押して、右手を恥肉に届かせた。
 ゆるゆるとなぞると、肉の扉が割れてぬるっとしたものが指腹にまとわりついてくる。

 これがただの暴漢だったら、麻弥はここまで許しはしまい。
どんな女でも心の底でしたたかな計算をしているものだ。
(この男に身をゆだねれば、わたしの思いは叶う。夢が実現するまでは我慢をしよう)
 と、そんなところだろう。
 愛だの恋だのは根っから信じてはいない。そんなものは絵空事にすぎない。
信じられるのは力だけだ。力がある男に女はついてくる。それが、東吾が六十三年で得た人生訓だった。
 下着の中をまさぐると、媚肉が割れてぬっとしたものが指腹にまとわりついてくる。
濡れ溝に沿ってなぞり、上方の肉芽を転がすと、麻弥の抵抗がやんだ。
 顔をそむけながらも、啜り泣いている。
自分の夢のために好きでもない男に身を任せながらも、そんな自分に憐憫を覚えているのだろう。
 滲んだ蜜をなすりつけながら肉芽をまわし揉みすると、
「ぁうぅぅぅぅ……」
 麻弥は快楽の声をあげ、足を一直線になるまで伸ばした。
(『鬼の棲む蔵』P60L9-P61L16)

 自らの性格や外見は、女には好まれぬものだと自覚している東吾が、女性を陥落するために選んだのは、夜の営みのテクニックを磨くこと。
『誰もが平伏する権力と、一度寝たら忘れられないセックス』(『鬼の棲む蔵』P25L11-12)で、女性を征服していくのが東吾のやり方なのです。
これぞザ・昭和の男!

【後編につづく】

Text/大泉りか

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ライタープロフィール

大泉りか
キャバ嬢、SMショーのM女、ボディペインティングのモデルなどの経歴を経て、現在は官能小説家、ライトノベル作家。

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