付き合いが落ち着くと悪い男に走り出す…
男の理想の女になれず109の真ん中で号泣

雨宮まみ だって女子だもん!! 格言 名言 インタビュー

―ということは、その後悪い男にいってしまったんですか?

雨宮:そうなんです、20代後半くらいから。
自己評価が低いせいだと思うんですけど、自分と付き合ってくれるような男は、つまんない男なんじゃないかっていう思い込みがあって(笑)。

 自分と付き合わないような男を見かけたときに、グラッとくるんですよ。
あの人が自分のほうを向いてくれたら、自信を持てるかもしれないって思って向かっていっちゃうんですよね。それで自分にきたら「ヨッシャーーー!」みたいな。
本当は、こっちにきただけじゃどうしようもないじゃないですか。単にセックスしたいだけかもしれないし。

そういうこともよく分かっていないまま、ただこっちに来ただけで、価値が認められた! ってランクが上がったような気分になって、夢中になってました。

 その人に認めてさえもらえれば、私も女としての評価が上がるんだって思っているから、自分にとって少し難しい人を常に必死になって振り向かせようとする、悪循環に…。

―その当時の雨宮さんにとっての難しい人ってどんなタイプだったんですか?

雨宮:自分とはかけ離れているタイプですね。すんごい日焼けしてたりとか…(笑)。

―チャラい方向ですか?

雨宮:ギラついた感じの人です。でもそういう男の人って、茶髪で巻いていてネイルサロン通っていて、みたいな女が好きなんですよね。

 私自身はそういう女性に対してすごいコンプレックスがあったから、そういう男がこっちを向いたら、私も女として価値があるのかも! って思える気がして、すごいムキになっちゃって。
でも、付き合ったらやっぱり「爪伸ばせよ」「髪伸ばせよ」「ブーツはけ」とか言われるんですよ。それで「やっぱり今の私じゃだめなんだ」と、ひとつひとつ自信を打ち砕かれていくんです。

 ほかの子たちが何年も前からやっているようなことを、付け焼刃でやっても髪もうまく巻けないし、爪も折れるし、細いブーツってどこで買えばいいんですか!? って感じだし、なんかいつも買っている店のブーツはあのセクシーブーツと何かが違うなって…。
そういう店に行くと「筒幅はいくつですか?」とか訊かれて「えっ何そんなの測ったことない!」って、またショックを受けて。
何もかもが未知の世界でした。

―そういう男性と関係している間は幸せではあったんですか?

雨宮:いやあ、キツいですよね。常にダメ出しされる不安がありました。
 その人はギャルっぽい子が好きだったから、ギャルっぽい格好をしようとして、109に行ったんですけど、二十代後半で109ってとこがすでにもうキツい。
で、行って、好きな感じの服はあるんですけど、ジーンズがふとももまでしか上がんないんですよ。
世代的にもう骨盤のサイズが違うんです。
店員さんが普通に着ている服がまったく入らないんですよ。
世代的な身体の差があるから「私もうギャルにはなれない~~~」と思って、そのとき109の真ん中のエスカレーターのとこで泣きましたね(笑)。

 ギャルみたいな女性性を思いっきり出してる存在って、かっこよく見えたし、自分自身もそういうのに憧れていたんです。
女としての仮装を徹底的に、完璧にやれてる人っていうのがすごくうらやましくて。
それができない自分の中途半端さも嫌だし、でもやらなきゃ好かれないっていう緊張感もつらくて。
とりあえず、やっぱりマメじゃないとできないんですよね…。
「マスカラって朝塗ったら終わりじゃないの? なんでポーチに入れるの?」みたいな、そういう人間がそこに行くのは無理なんですよ。