「猛禽=王道モテ」なら、「江古田ちゃん=邪道モテ」

 そして、そんな猛禽のモテテクにコロッと騙されてしまうような男性の“甘さ”も、江古田ちゃんは許しません。

 合コンや飲み会で交わされるキャバクラのような会話には、「おだてられなきゃその気になれない男」と「こびへつらわなければ好いてもらえない女」と一喝。
「強がってるけど本当は弱いくせに…」という男の口説き文句に対しては、「見抜けるオレと見抜かれちゃってるアタシ」の駆け引き合戦だと指摘。
また、「私って隙があるみたいで、チカンとかあいやすくて…」という女の告白も、「私を守ってナイト気分を味わいつつパクッといっちゃってください」というアピールだと容赦なく断罪します。

 しかし、こうした「猛禽批判」と「猛禽に騙される男批判」は、単なるかわいい子への嫉妬やひがみではないと言う江古田ちゃん。
畏怖や女としての劣等感がないまぜになった結果、自己否定や被害者意識、そして「自己肯定するために他者否定したい自己への嫌悪」など、さまざまな感情と戦っているのだと言います。

 考えてみたら、これって前回紹介した『邪道モテ!』における、王道のモテテクが恥ずかしくて使えない“邪道モテ”タイプの女子と似ていますよね。
猛禽の男ウケするテクニックは知っているけれど、自分は“ガラじゃない”から猛禽になれない……。

 江古田ちゃんもまた、“王道の恋愛”や“フツウのモテ”に憧れながらも、その途中でつまずいているコンプレックスの深い女性なのかもしれません。